NASA「アルテミスIII」ミッションのSLSコアステージにエンジンを取り付ける作業が開始
こちらは、NASA(アメリカ航空宇宙局)のケネディ宇宙センターにあるVAB(ロケット組立棟)で2026年8月25日に撮影された画像です。
中央に写っているのは、NASAの大型ロケット「SLS(スペース・ローンチ・システム)」のコアステージ(1段目)に4基搭載される「RS-25」エンジン。奥をよく見ると、足場の下から別のエンジンのノズル部分が覗いているのがわかります。

SLSコアステージのエンジン取り付け作業が開始
NASAは2026年8月27日付で、有人月面探査計画「Artemis(アルテミス)」のもとで2027年に実施予定の「Artemis III(アルテミスIII)」ミッションで使用されるSLSのコアステージに、エンジンを取り付ける作業が始まったことを発表しました。
RS-25は、2011年に運用を終えた「スペースシャトル」のオービターにも3基搭載されていたエンジンです。NASAによると、アルテミスIIIのSLSで使用される4基はいずれもスペースシャトルで飛行実績があります。
たとえば、シリアル番号2048のエンジンは「Discovery(ディスカバリー)」による1998年のSTS-95ミッションで使用されたことがあります。このミッションではNASDA(宇宙開発事業団、当時)の宇宙飛行士だった向井千秋さんや、アメリカ人として初めて地球を周回飛行した宇宙飛行士でもあるジョン・グレン上院議員(当時)がディスカバリーに搭乗しました。また、このエンジンは「Atlantis(アトランティス)」による2009年のSTS-129ミッションでも使用されていますが、クルーの1人だったNASAのRandy Bresnik宇宙飛行士はアルテミスIIIミッションのコマンダーに任命されています。
コアステージへのエンジン取り付け作業と並行して、VABでは固体燃料ロケットブースターの組み立ても進められており、先日は有人宇宙船「Orion(オリオン、オライオン)」のモジュール結合作業も行われました。
また、NASAとESA(ヨーロッパ宇宙機関)から4名が選ばれたクルーの訓練も本格化しているなど、アルテミスIIIへの準備は着実に進められています。

アルテミスIIIミッションとは
アルテミスIIIは、アルテミス計画の月着陸船「HLS(有人着陸システム)」とオリオン宇宙船のランデブーおよびドッキング能力を地球低軌道で実証するミッションです。
もともとはアルテミス計画初の有人月面着陸が行われる予定でしたが、着陸を2028年実施予定の「Artemis IV(アルテミスIV)」ミッションに先送りした上で、アルテミスIIIの役割を“有人月面着陸を確実に成功させる上で不可欠なテストミッション”へと変更することが、2026年2月に発表されました。
NASAによると、アルテミスIIIでは最初にBlue Origin(ブルー・オリジン)社が開発中の月着陸船「Blue Moon(ブルームーン)Mark 2」の試験機が打ち上げられ、軌道上で待機します。続いてクルーを乗せたオリオン宇宙船がSLSで打ち上げられ、待機していたブルームーンとドッキングし、着陸船への乗り込みを含めた技術実証を約2日間かけて行います。
ブルームーンでの実証が終わるとオリオン宇宙船はドッキングを解除し、SpaceX(スペースX)の月着陸船「Starship(スターシップ)HLS」の試験機打ち上げを待ちます。スターシップとドッキングしたクルーは約1日間の技術実証を行った後に、オリオン宇宙船で太平洋へ着水して帰還します。ミッション全体の期間は約2週間の予定ですが、打ち上げや軌道上での状況に応じてリアルタイムで決定されるということです。

文/ソラノサキ 編集/sorae編集部
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