【藤 和彦】若者の間ではルーム・シェアならぬ”ベッド・シェア”が大流行…不動産不況とコロナ再燃にあえぐ中国のいま

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前編記事『自動車の国内販売は10カ月連続で減少…輸出頼みでしのぐ中国経済が抱える「不都合な現実」』で見てきたように、中国では融資も内需も細り、カネのめぐりが悪化している。その影響は、不動産市場や人々の暮らしにも広く及んでいる。

商業用不動産、絶不調

経済低迷の元凶である不動産市場も「病膏肓に入る」だ。

住宅用不動産市場に注目が集まっているが、商業用不動産市場も絶不調だ。

中国メディアは8月に入り、「海外投資家が中国で保有する商業施設やオフィスビルを、取得価格を大幅に下回る水準で売却する動きが広がっている」と報じた。海外投資家による商業用不動産投資は北京や上海に集中しているが、これら大都市の評価額は2019年以降、40%以上下落したと言われている。

商業用不動産は制度的な問題にも直面し始めている。

土地使用権の残存期間が短くなっている商業用不動産が増えているからだ。

中国では憲法上、都市の土地の所有権は国にあり、商業用不動産を建設する場合には土地の使用権を取得しなければならない。商業用不動産の土地使用権は最長で50年と決められているため、期限到来後に更新できなければ、投資家は巨額な損失を被ってしまう。土地使用権の残存期間が20年以下となっている商業用不動産は現在、1兆元(約23兆6000億円)に上るとの試算がある。

広州市や上海市が土地使用権の期限到来問題の解決に着手しているが、財源不足に陥る地方政府が、土地使用権の延長に際して法外な金額を要求する事態が常態化すれば、商業用不動産市場は危機に瀕してしまうだろう。

政府の締めあげ

財政が火の車の地方政府は富裕層の懐に狙いを定めている。

フィナンシャル・タイムズは5日、「中国当局は富裕層による海外での資産運用や投資で得た利益にかかる税金の未納分の追加徴収に乗り出した」と報じた。2000年まで遡って調べた事例もあり、追徴額が数千億ドル規模になるケースもあるというから驚きだ。

一般の中国人の生活も厳しくなる一方だ。

中国メディアは8月に入り、「休みは増える。給料は減る。それでも仕事量は変わらない。中国の一部企業では、そんな『週4日勤務・3日休み』が広がっている」と報じた。

若者の窮乏とコロナ再燃

しわ寄せを受ける若者の間で、奇妙なライフスタイルが生まれている。

ロイターは7月29日、「中国の若者は住居費を節約するため、血縁関係にない者同士が同じベッドを使用する『ベッド・シェアリング』という現象が起きている」と報じた。

劣悪な住環境は有害なウイルスにとって格好の温床だ。

そのせいだろうか、中国では7月以降、新型コロナウイルス感染症患者が急増している。中国疾病予防対策センター(CDC)は9日、「全国の急性呼吸器感染症サーベイランス調査結果で、新型コロナウイルスの検出陽性率は22.3%となり、インフルエンザの13.3%を上回った」と発表した。

中国では既に新型コロナウイルス感染症の経口治療薬が認可されているが、コロナ初期に策定された医薬品流通制限規則が災いして、薬局が容易に入手できない状態となっているのも痛手だ。

中国CDCは「検出されたウイルスはいずれも既知のものであり、未知のウイルスは確認されていない」との見解を示しているが、油断は禁物だ。

日本にとって厄介な存在と化した中国について、引き続き高い関心を持って注視すべきだ。

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