母子犬4匹を虐待死…「眠れなくなった」浅田美代子が訴える中国「旺旺事件」のひどさ
〈動物をどう扱うかで人の心が分かるものだ〉とは、哲学者イマヌエル・カントの言葉だが、目下、中国で発生した凄惨(せいさん)な犬の虐待事件が世界的に波紋を呼んでいる。動物愛護活動家として知られるあの女優も「ひど過ぎる」と嘆きの声を上げるほどで……。
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【写真】母子犬に暴行しようとしている少年たち…浅田さんは「気付くとこの事件のことを考えています」という
「あまりにひどいので、旺旺(ワンワン)事件についてぜひお話ししたい」
女優の浅田美代子さん(70)が旧知の本誌(「週刊新潮」)記者にそんな電話をしてきたのは、7月下旬のこと。
彼女の言う“旺旺事件”とは、中国で起きた少年による犬の虐待事件を指す。

母犬と子犬3匹を……
中国在住ジャーナリストによれば、
「事の発端は6月28日、中国の少年たちがSNSにアップした一本の動画です。広東省掲陽(けいよう)市に住む小学6年生の少年4名が、近所で暮らしていた旺旺という名の母犬とその子犬3匹を執拗(しつよう)に木の棒で殴打し、虐待死させました。少年たちはすでに瀕死の状態の旺旺に油をかけて点火し、焼かれて叫び声を上げながらのたうち回る様子に、“おー、いい匂い”“肉の焼けるいい匂いだ!”などと言って大笑いしているのです」
世論は反発も……“動物愛護法”なき中国
当然、あまりに異様でむごたらしい内容が問題視された。動画は中国国内だけでなく、SNSを通じて瞬く間に世界に拡散されたのだ。
「世論の反発もあり、地元当局は6月30日に少年たちを矯正学校に相当する専門学校に送致したことを発表しました。しかし、彼らが14歳未満であることに加えて、残念ながら中国には日本の動物愛護法に相当する動物虐待を防止する法律がなく、刑事罰の対象にはならない。しかも当局が“彼らは未成年である。ネットリンチにかけるべきではない”との旨を国民に警告、加害少年への配慮ともとれる対応を示したため、中国人の怒りも一層膨れ上がっています」
さらに、中国に動物愛護法制定を求める署名活動や抗議広告を出す動きが国際的に広がってもいる。7月中旬には、米国ニューヨーク・タイムズスクエアで本件の真相究明と動物愛護法制定を求める広告が大型ビジョンに掲示された。
辛過ぎて見られない
改めて浅田さんに聞くと、
「この事件を知ったのは、7月頭ぐらいです。インスタで流れてきた投稿で、事件について知りました。動画自体は辛過ぎて見られないのですが、動画を切り取った画像を何枚か見てしまい、暴力を受けた旺旺と子犬たちの姿が本当に痛ましく、ただただ可哀想で……。旺旺は死の間際、ボロボロの体で子犬たちに近寄りなめようとしていたといいます。ただ子育てをしていただけなのに、なんでこんなひどい目に遭わなければいけないのでしょうか」
20年ほど前から保護犬の支援や動物愛護活動を続けてきた彼女は現在、3匹の保護犬と共に暮らしている。保護活動の中で劣悪な環境に置かれる犬たちを何度も見てきた浅田さんにとっても、この事件の衝撃は大きかったという。
「旺旺と子犬たちの情報に触れて以降、あまり眠れなくなり、気付くとこの事件のことを考えています。どんなに苦しかったかと思うと、やりきれません。違う国で起きたことだし、できることはないだろうと分かっているんだけど、考えずにはいられなくて。署名活動には全部記名してますが、現実的には他国の圧力で動物愛護法を制定してもらうのは難しいでしょう。無力さを痛感しつつも、この事件を風化させてはいけないと思っています」
翻って現地では、事件が起きた掲陽市産品の不買運動も起きたりで、粗暴さもその反動も苛烈。いやはや、中国という国は……。
「週刊新潮」2026年8月13日・20日号 掲載
