公道に放置された故障車の前で対応を検討する国交省「TEC―FORCE」職員(中央と右)と千葉市職員(16日、千葉市緑区で)

写真拡大

 13日の記録的な大雨で、千葉県内の道路は各地で冠水被害を受け、水没して動けなくなった車両が2800台以上放置された。

 記者2人が16日に車で別々のルートを走ると、撤去や復旧が進む一方、多くの故障車が依然残り、交通の妨げになっている状況がみえてきた。(河津真行、大治有人)

 小雨の降る16日午前、記者1人は県庁に近い読売新聞千葉支局から佐倉市経由で、千葉市緑区おゆみ野地区を目指した。支局前の片側2車線道路の左側車線は、水没したトラックやタクシーなど複数の故障車で塞がっている。

 佐倉市角来の鹿島橋そばの国道296号では、前日に記者が車で通った際にはまだ冠水し、水につかった車があったが、水はすっかりなくなり、車も撤去されていた。

 国道296号から山あいの道に入り、佐倉市から千葉市に戻ると、田んぼに沈んだままのタクシーと乗用車が放置されていた。爪痕が生々しく残る光景に、豪雨のすさまじさを感じた。

 しばらくして見通しの良い直線道路に入った。少しスピードを上げた途端、故障車を避けようとこちらの車線にはみ出してきた車があり、慌てた。

 京成電鉄おゆみ野駅周辺に着くと、国土交通省の緊急災害対策派遣隊「TEC―FORCE」が千葉市職員とともに放置車両の撤去作業に当たっていた。多くの人が道路の早期復旧に尽力している姿が印象に残った。

 別の記者は船橋市から国道357号を走って千葉支局を目指した。習志野市までの区間には放置車両はなかったが、「千葉西警察署入口交差点」(千葉市美浜区)を過ぎた辺りから路肩に止められた故障車が目に付くようになった。千葉市中央区の市役所本庁舎に近づくにつれて台数は増え、約5キロ・メートルの間に数十台を数えた。

 軽乗用車から大型トラックまで、車種は様々。近くで見てみると、いずれも「通報済み」「故障車、レッカー待ち」といった貼り紙がある。ナンバープレートがひしゃげた車両もあり、水の勢いの強さを物語っていた。

 市役所本庁舎近くの事務所で働く男性(76)は「前日は交差点の真ん中に車が止まっていて、3車線ある道路が1車線しか使えなかったりした。これでも片付いた方だ」と話していた。

 支局に近づき、走り慣れた道を進んでいた時、信号の手前の乗用車が動いていないことに気づいた。慌てて急ブレーキを踏み、肝を冷やした。

 県や市町村、国土交通省などが通行の妨げになる放置車両を路肩に移動させる作業を急ピッチで行っている。だが、道路から撤去するためのレッカー車が足りておらず、完全撤去には時間がかかりそうだ。