熊本地震の影響で全滅したトラウトサーモン=7月29日、熊本県八代市(躍翔提供)

 最大震度7を観測した熊本地震では、廃校となった熊本県八代市にある小学校の教室で、陸上養殖されていたトラウトサーモン約1200匹が全滅した。地震による停電で、水槽に酸素を供給する装置が止まったことが原因だ。今春に出荷を始めたばかりで、運営会社の大石健司社長(53)は「これからという時に」と悔しさをあらわにした。

 養殖場の運営会社「躍翔」(北九州市)は2024年、旧鏡西部小を活用し養殖に乗り出した。三つの水槽に約1500匹の稚魚を放流、成魚まで育て、今年5月に「八代教室育ちサーモン」と銘打ち、ふるさと納税の返礼品として出荷開始。7月上旬には対面販売も始め、地元客からも「おいしいよ」と好評だった。

 しかし、先月28日の地震で暗転した。八代市でも震度6強を観測。停電が起き、エアポンプが動かなくなった。「30分止まると魚は弱ってしまう」と施設管理者の土渕義勝さん(58)。電力の復旧は3日後で、酸欠により死滅した。