高市政権 日本の平和守れるか 終戦から81年【いまを、戦前にさせない】
15日で、終戦から81年が経ちました。
毎年繰り返す平和への誓いと裏腹に、世界では戦争が拡大しています。日本はこれからも平和を守っていけるのか、足りないものは何か、伊佐治健・日本テレビ解説委員長と考えます。
■高市首相の「言葉」に注目

まず、高市首相の言葉に注目します。
15日、全国戦没者追悼式で高市首相は、思いを込めた表情で平和を誓いました。ただその中に「反省」という言葉はありませんでした。
去年、石破前首相が日本の戦争責任への反省を13年ぶりに述べて注目されましたが、高市首相は触れませんでした。
また、広島と長崎では、核兵器を「持たず・作らず・持ち込ませず」の「非核三原則」について、これからも続ける意味の「堅持しつつ」ではなく「堅持しており」と現状を述べるにとどめました。日本が基本政策としてきた非核三原則のひとつ「持ち込ませず」を見直す可能性をにじませたと見られています。
そして13日、ロシアのプーチン大統領の北方領土訪問に対し、高市首相は「中長期的な関係回復を困難にした」などと自ら前面に出て、厳しい言葉で抗議しました。強いリーダー像を期待する保守的な支持層に歓迎される姿勢です。
──頼もしいと受け止める人もいると思いますが、相手国の反発というのが気になりますね
■政府は年末に「安保関連3文書」改定を予定

日本周辺の中国、北朝鮮、そしてロシアは“日本が軍国主義に逆戻りしている”などと口をそろえ、軍事的な挑発を繰り返しています。ウクライナ侵攻に北朝鮮も加わり、実戦経験を積んでいるのも心配な動きです。ドローンやAIを駆使した「新しい戦い方」に日本も後れはとれないと、政府は年末に国家安全保障戦略など「安保関連3文書」の改定を予定しています。
──日本にとって後ろ盾でもあるアメリカとの関係が重要となってきます
ただ悩ましい面もあります。トランプ政権は今年、ベネズエラ、さらにイランを攻撃しました。法の支配を軽んじ力こそ正義で軍事力によって平和は作られるというスタンスのトランプ政権には、国際社会の批判も高まっています。日本がそんなアメリカにどこまでついていくのか、世界の目が注がれていますが、高市政権ははっきりしています。
■核兵器めぐる小泉防衛相や政権幹部の発言は

小泉防衛相(去年10月)
「トランプ大統領は力による平和を掲げていますが、地域の平和と安定を守り抜くには、裏付けとなる確固とした抑止力、対処力が必要。トランプ大統領は現実は戦争を止めるために、むしろ平和を志向している大統領だと思う」
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これは去年の発言ですが、小泉防衛相は先月も、核兵器をめぐってあらゆる政策をタブーなく議論する必要があると述べるなど、踏み込んで発言しています。
去年末には、高市政権の幹部の一人が「個人の思い」とした上で、核兵器を保有すべきとの考えを示し、波紋が広がりました。
かつて「核保有」を口にした人物は即刻辞任に追い込まれるほどタブー視されていましたが、この幹部は今も職にとどまっています。
──こうした「核」についての発言というのを、国際社会はどのように見ているのでしょうか?
6月に“核の番人”IAEA=国際原子力機関のトップに取材しました。
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IAEA グロッシ事務局長(6月)
「核兵器を持たず製造もしない日本の賢明な政策はモデル。世界が称賛している」
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グロッシ事務局長は、原子力の高い技術を持ちながら、決して核兵器に転用しない日本を称えました。核武装論が表になった日本政府に待ったをかけたようにも感じました。
国連のグテーレス事務総長にも取材しました。唯一の戦争被爆国である日本には「道徳的な権威がある」と述べました。日本が築いてきた平和国家のブランドを傷つけてほしくないと言っているようにも感じました。
──アメリカが変わってしまって国際秩序も乱れている今、日本の舵取りというのは難しくなってきています
アメリカとの一体感で抑止力・防衛力をどんどん高めるか、中国やロシアとも対話を増やして外交力を高めるか、道筋は単純ではありません。戦後81年が過ぎ、私たち一人ひとり深く考えるべき時期を迎えています。