東京・日本橋、首都高のフタ取れ 川沿いを楽しく歩ける街に
東京では、巨大な再開発計画が進んでいる。築地市場の跡地や日本橋、神宮外苑などで、どれも100年に1度のビッグプロジェクトとして注目される。そのうち、日本橋について掘り下げてみよう。
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五街道の起点である東京・日本橋には、日本橋川を覆うように首都高速道路が走る。しかし、そのうち神田橋JCTから江戸橋JCT間の約1.8キロは、すでに地下トンネル化が決定。その部分の首都高は近い将来、撤去され、川から空が見えるようになる。
その首都高の地下化に伴って、日本橋川のにぎわいを生み出すべく、周辺の再開発事業が進む。そこで、注目されているのが、日本橋周辺の再開発だ。
「日本橋川は神田川から分岐して、隅田川につながる全長4.8キロで、日本橋川のにぎわい創出に向けた取り組みは川全体が対象です。上流から下流まで4つのゾーンに分け、それぞれテーマを設定。日本橋周辺の再開発はゾーン3に該当し、大手町・神田等のゾーン2とともに整備の先行区間に位置づけられています。ゾーン3のテーマは、『歴史と未来を紡ぐ水辺-資源をいかす』です」
こう言うのは、東京都都市整備局都市づくり政策部水資源・建設副産物担当課長の松本昇氏だ。
築地と同様に水が大きなテーマになっている。日本橋川のにぎわいを生み出すにあたって、どんなことが検討されているのか。
「日本橋川を軸に人が集まるような空間、景観をつくるというのが大きな考え方です。たとえば、日本橋橋詰めには広場がありますが、そこを整備して人々が集う拠点にしたり、外れずに残った首都高は夜間のライトアップで人を集めたりといったことです。そのための動線として、川沿いに歩いて楽しい歩行者空間のネットワークを形成。人が気持ちよく集まれるように水質改善にも取り組み、水辺を実証実験の場とするなど、次世代技術を活用することで新しいビジネス創出の場とすることなども考えています」(松本氏)
水辺は次世代技術活用で新ビジネス創出の場に
確かに川を覆う“フタ”があることで、日本橋川には光が届きにくく、何となく暗いイメージがある。
その“フタ”がなくなり、川沿いの遊歩道が整備されたら、日本橋川周辺の姿はグンと明るくなり、川沿いの散策が気持ちよさそうだ。
今年4月にまとまった実施方針によると、川に人を呼び込むために欠かせない水質改善については、川底の汚濁物の除去や汚濁物をたまりにくくする河床の整正、水中酸素濃度の改善など8つの取り組みが行われているという。
日本橋川沿いでは、5つの再開発事業が計画されている。
親水空間と川沿い歩行者ネットワークを中心に、5つの再開発区域とその周辺一帯のエリアは、「日本橋リバーウォーク」と名づけられている。この5街区の再開発でも主要な役割を担うのが三井不動産だ。事業者としてはどんな計画なのか。
「日本橋リバーウォークでは、首都高速道路日本橋区間の地下化と5つの再開発事業が連携し、空と川に開かれたまちづくりを進めています。日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業はその第1弾プロジェクトで、街区名称は『東京ミッドタウン日本橋』となりました。日本橋川という都心では希少な水辺空間を生かし、オフィス、商業、ホテル、住宅、MICEなどの都市機能を融合させ、川と街が一体となる新たな都市体験の創出を目指し、事業が推進されています」(前出の広報担当者)
この地区は、現在「COREDO日本橋」が入居する日本橋一丁目三井ビルディングも含まれるが、今年10月で閉館。リニューアルして来年秋のグランドオープンに合わせるという。
東京駅東側との一体感を強化。回遊性を高める
ほかの4街区や全体の見通しはどうか。前出の広報担当者に聞いた。
「再開発によって東京駅の東側の一体感が強化され、“東京の新しい顔”となるよう、水と緑が広がるまちづくりを大切にして設計する計画です。川沿いを楽しく歩いて滞在できるように、建物はもちろん、滞在空間も川に向けて整備し、川沿いの空間を楽しんでもらう工夫を検討しています」
実施方針では、川岸に親水護岸やデッキを設置して川を近くに感じられる歩道に段差を設け、川を上から眺める空間整備も描かれている。川沿いと土手のようなイメージだ。川沿いの建物は、低層部が川に向けてオープンスペースとなり、川沿いのにぎわい形成に一役買っていることが見て取れる。
さらに広報担当者は日本橋から八重洲まで続くまちの連動性や日本橋の歴史的な背景も重要だという。
「日本橋・八重洲エリアでは、江戸以来の商業・金融・文化の蓄積と、新たな挑戦を受け入れてきた歴史を持つ街です。東京駅東側の回遊性を高めながら、川沿いを歩き、滞在したくなる空間づくりや、金融・ライフサイエンス・宇宙・食など多様な領域の交流を後押しすることで、東京の新しい顔となる水都の形成に貢献していきたいと考えています」(同担当者)
日本橋リバーウォークでは、川沿いに緑地や親水広場などのゆとりある空間を設けながら、オフィスや商業、住宅など多様な機能を備えた街区づくりが進められる予定となっている。川がキレイになり、生まれ変わる日本橋を楽しみに待とう。
