自分とおカネの向き合い方をきちんと考える

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【億り人が教える「超カンタン」お金の話】#3

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 おカネの不安を解消するためには、おカネの意味を知ることが大切です。中国の古い兵法書「孫子」に「敵を知り己を知れば百戦危うからず」という言葉が出てきます。前回紹介したように、「おカネとは信用である」を踏まえて、さらにおカネにはどんな機能があるか考えてみます。

 それは、

(1)交換手段であること

(2)価値の尺度であること

(3)価値が保存できること

 の3つです。

 このうち、交換手段はすぐ理解できるでしょう。かつては獣と魚を物々交換しなければなりませんでしたが、今はおカネがあれば、肉とでも魚とでも簡単に交換することができます。

 2番目の価値の尺度というのは、簡単にいうとモノの値段を計る物差しです。例えば、ミカンが1個100円、高級和牛は100グラム1000円だったとします。同じ1000円でも、ミカンなら10個分、和牛なら100グラム分というのが簡単にわかり、異なる商品、サービスでどのくらい価値が異なるかわかります。

 最後は保存機能です。物々交換だと、魚が腐ったら交換することができません。しかし、おカネは簡単に保存することができます。特に文明の発達とともに、銀行機能が充実し、基本的には安全におカネを保存することができるようになりました。保存したおカネはいつでも取り出せますし、保存する額を増やしていけば、資産家になっていくわけです。

 おカネの機能はこの3つに集約されると考えれば、不安はより減るでしょう。例えば、自分の家計支出がいくらだと分かれば、どのくらいのモノを買えるかがわかります。さらに、将来にわたって、どのくらいおカネを保存すればいいのか、ある程度目安が付くようになります。

 ゲームのようにおカネをひたすら増やそうという人はいますし、それが資産家になるケースが多いのは事実です。ただ、僕は自分が生涯に必要とするモノやサービスと、同程度のおカネがあれば十分だと思っています。

 この考えに基づけば、やみくもにおカネに不安を持つのではなく、自分とおカネの向き合い方をきちんと考えられるのではないでしょうか。そして、不必要なものは無理に欲しがらない、将来、おカネが足りなそうだったら計画的に保存していく方法を考えていく。おカネの機能、本質を考えることで、不安の解消につながっていくわけです。

 僕の尊敬する投資家で、日本最大の日本株ファンド「ひふみ投信」の共同創設者だった藤野英人さんという方がいます。僕も勉強会などでお世話になりましたが、彼は「おカネはおっかねー」という駄洒落のようでいて本質を突いた言葉を言っていました。おカネは怖いもので、扱い方を間違えれば、人生に大きな打撃を与え、国家レベルなら経済問題が戦争になることすらあります。

 しかし、おカネについて怖がって考えることをやめるのではなく、本質を見極めて、うまく使っていけば未来を良い方向へ変えられると訴えます。僕もまったく同意見です。おカネの基本をまず知ることが重要なのです。

▼東山一悟(とうやま・いちご)1969年、東京都生まれ。91年に筑波大学を卒業し、同年メディア企業に入社。2020年退社。著書に「投資で2億稼いだ社畜のぼくが15歳の娘に伝えたい29の真実」(JTBパブリッシング)