「出る杭は打たれる」風潮に打ち勝った?BTSも注目した韓国女性アイドル、“学校いじめ疑惑”浮上もすぐに“沈静化”できた理由
BTSメンバーも反応を見せた急浮上中のK-POPガールズグループが、また一つ大きな試練を乗り越えた。
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渦中に立たされていたのは、ガールズグループRESCENE(リセンヌ)のリーダーであるウォニだ。
日本ではまだRESCENEの名を知る人は多くないかもしれない。しかし韓国では今、彼女たちは“中小事務所発の奇跡”と称されるほど、急速にその存在感を高めている。
RESCENEは2024年3月に正式デビューを果たした、THE MUZEエンターテインメント所属の5人組ガールズグループである。

大手事務所所属の大型新人ではないものの、ウォニの個人YouTubeチャンネルを軸として、徐々に人気が高まっていった。
なかでも大きかったのが、ウォニの出身地である慶尚南道・巨済(コジェ)を打ち出した「巨済ヤッホー」ミームである。
飾らない方言と親しみやすい雰囲気を持つウォニに、日本人メンバーであるミナミの“ギャル”キャラクターが合わさり、2人の掛け合いがショート動画を中心に拡散された。
アイドルの完璧なステージ映像というよりも、友人同士がふざけ合っているかのような空気感であった。そこに親しみやすさがあり、K-POPファン以外の層にも浸透した。
韓国で広がりを見せるギャルブームやショートフォーム文化とも合致し、RESCENEは一気に“注目される”存在となった。
そこにBTSメンバーによる反応まで加わった。
JUNG KOOKは7月、自身のSNSにて、ミナミが歌唱した『Still With You』のカバー映像に反応を示し、「ヤッホー」という短い言葉とともにリンクを共有した。RMもインスタグラムのストーリーで、RESCENEの楽曲『Pinball』をBGMに採用した。
上昇気流の中で突如浮上したいじめ疑惑そのような上昇気流の中で浮上したのが、ウォニの“いじめ疑惑”だ。
あるネットユーザーがSNSを介して、ウォニが中学時代にいじめの加害者であったと主張したのだ。
過去の出来事であっても、韓国の芸能界において学生時代のいじめ疑惑は非常に重く受け止められる。事実と確認される前であっても、疑惑が持ち上がっただけでCMや作品から降板する俳優やタレントも少なくない。

K-POPアイドルについても同様である。その代表例が、LE SSERAFIMの元メンバーであるキム・ガラムだ。
HYBE初のガールズグループとして大きな注目を集めるなか、LE SSERAFIMのメンバーとして公開された直後、学生時代のいじめ疑惑がオンライン上で瞬く間に拡大した。
所属事務所は疑惑を否定し、予定通りにデビューを果たしたものの、世論の反発は収まらず、活動休止を経て早い段階で脱退と契約解除という結果に至った。
(G)I-DLE(現・i-dle)元メンバーのスジンも同様だ。2021年2月、あるネットユーザーによって「妹がスジンに(学生時代に)校内暴力を受けた」と暴露され、大きな議論を呼んだ。
当初、スジンは疑惑を否定していたが、最終的に同年8月、グループからの脱退を余儀なくされた。所属事務所側は「スジンは依然として悔しさを訴えているが、校内暴力の書き込みでこれ以上、グループに被害を与えられないと負担を感じて脱退を決めた」と説明した。
当然ながら、キム・ガラムやスジン、そしてウォニのケースは、それぞれ内容も重みも全く異なる。一概に同列で扱うべきではない。

しかし、一つ共通する構図が存在する。K-POPアイドルは人気を問わず、過去の学校生活や私生活の一部分まで検証の対象とされやすい。
とりわけデビュー間もない新人の場合、蓄積した実績が少ない分、一度の疑惑がそのままグループや本人の印象を確定づけてしまう場合がある。
加えてキム・ガラムはHYBE、スジンはCUBEエンターテインメントという大手・有力事務所に所属していた。それにもかかわらず、ひとたび世論の炎上が大きくなると、グループの活動を守り切ることは容易ではなかった。
強力な事務所の後ろ盾があっても、“過去”に関する疑惑はアイドルのキャリアを揺るがす。ましてや中小事務所から出発したRESCENEにとって、ウォニのいじめ疑惑は致命的な打撃となり得る事案であった。
恩師の登場と異例の具体的な反論しかしながら、ウォニの事例は少々様相が異なっていた。
疑惑が持ち上がると、ウォニの中学時代の担任教師が自ら名乗り出たのだ。
担任はSNSを通じて、卒業アルバムやウォニのサイン、学生時代の手紙などを公開した。
さらに、ウォニが中学時代に生徒会役員を務めていたことや、全校生徒の前でいじめ防止キャンペーンを実施していたことなどを明かした。
それにとどまらない。担任は、写真に写っていた同級生たちが卒業後もウォニと良好な関係を維持していると説明した。
ウォニ本人は仕事の都合で参加できなかったが、同級生たちは今年2月にも共に1泊2日の旅行に出かけたほどだという。
匿名による暴露に対し、担任教師がここまで具体的な資料と証言を提示して反論する事例は極めて珍しい。
結果として、ウォニのいじめ疑惑は急速に沈静化を迎えた。最初に疑惑を提示したネットユーザーは投稿を削除し、その後姿を消したと報告されている。
さらに強く印象を残したのは、その後の担任の行動である。
担任は「うまく解決したようなので、これでアカウントを削除しようと思います」と最後の投稿を残した。
そこには、「応援してくださってありがとうございました。これからもウォニをかわいく見守ってください。よろしくお願いします」という言葉も書き添えられていた。
教え子を守るために立ち上がり、必要な証言を行い、騒動が収束すると静かに去る。あたかも自らの役割を果たし終えたかのような引き際であった。
逆風を乗り越えて果たす更なる飛躍その後は、疑惑そのものよりも、担任教師の見事な去り際を取り上げる報道が目立っている。
先述した通り、K-POPアイドルにとって学生時代やプライベートは時に大きなリスクとなり得る。
とりわけ新人の場合、積み重ねてきた実績がまだ少ない分、一度の疑惑がそのまま本人のイメージを決定づけてしまうことがある。
しかしウォニの場合、疑惑が彼女を失墜させる要因にはならなかった。むしろ、担任や周りの証言により、彼女がどのような中学時代を過ごしていたのかが浮き彫りになる結果となった。
これは、RESCENEというグループの現在の立ち位置をも示している。そもそも注目を集めていなければ、過去を暴かれることもない。
疑惑が生じたこと自体は歓迎すべき事態ではないが、それだけウォニとRESCENEが“見出された”存在になった証拠でもある。

そして彼女たちは、その逆風の中でも足を止めなかった。
RESCENEは『LOVE ATTACK』のチャート逆走に続き、KARAの名曲をカバーした『Pretty Girl』でも音楽番組で1位を獲得。中小事務所発のグループとしては極めて異例の猛勢を見せている。
「出る杭は打たれる」。K-POPの世界では、その一撃がキャリアを破壊してしまうケースもある。しかしウォニは、少なくとも今回の局面において、その打撃に屈しなかった。
「巨済ヤッホー」から始まったブームは、BTSメンバーの反応も追い風となり、さらにスケールを広げつつある。疑惑の影を払拭し、RESCENEがどこまで飛躍を遂げるのか。
その答えは、ウォニが“過去”に押し潰されなかった今から、いよいよ本格的に始まるのかもしれない。
(記事提供=スポーツソウル日本版)

