「にんにく」と「練りがらし」で止まらない食欲にさらなるブーストをかける![「みや古食堂」(神奈川県秦野市)/Photo:のぐちまさひろ]

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開店直後は「“ル・マン式”スタート」が最善!?

 高度経済成長期のマイカーブームとともに激増したドライブインは、現在ではその役割を「道の駅」やサービスエリアに譲り、全国で200店舗程度にまで減少しているといわれています。
 
 その一方、現存するドライブインは、素朴ながらも温かみのある料理や独自のサービスによって、多くのファンから根強く支持されているのです。

 神奈川県秦野市の国道246号線沿い、東名高速道路「大井松田IC」から約10分ほどの位置にある「みや古食堂」は、THEという冠を付けたくなるほどの“昭和のドライブイン”。

【画像】メガ盛りも選べる!? これが“昭和の”ドライブインで味わう「鉄板焼肉定食」です!(30枚以上)

 創業はモータリゼーションの萌芽と重なる1967年。圧倒的なボリュームと白米が進む味付けは、移りゆく時代を超えて、ドライバーたちの胃袋を満たしてきました。

 この日は週末の土曜、開店30分前に訪れたのですが、大型トラックも停められる休憩スペースはみるみると賑わってきました。この時点では、休憩スペースのさらに奥にある、店の目の前の駐車スペースは、ロープで封鎖されています。

 とはいえ、ロープから2台目の“フロントロー”に付けていた筆者は、余裕しゃくしゃくで開店の時を待っていました。そして、しっとりとしたお姉さんがロープを開放した瞬間、予期せぬ事態が起こります。

 なんと、休憩スペースに停めていたドライバーたちが、さながら“ル・マン式スタート”のように、店の入口に向けてスタートダッシュをカマしたのです(汗)。どうやら開店直後に少しでも早く入店したいなら、クルマではなく、ドライバー自身のグリッド位置が重要だったようです。

オーダーの品は心に決めておいた方がスムーズ

 思わぬ洗礼(!?)を浴びることになったものの、無事に入店。テーブル席とカウンター席で構成された店内は、レトロな昭和の大衆食堂らしい、ほっとできる雰囲気に包まれています。

 また、みっしりと貼られたトラック野郎のオリジナルステッカーが、この店の本質を表しています。

 わりと最近導入された食券機の列に並んでいる間には、おひとり様ということで、「カウンター席にどうぞ。どこでもいいですよ〜」と案内されました。

 食券機には多彩すぎるメニューが並んでいますが、ここで目移りしてモタモタするよりも、オーダーの品を心に決めておいた方がスムーズです。

 ちなみに筆者(のぐちまさひろ)は、1番人気である「鉄板焼肉定食」(1300円)の、もっとも大きいボタンへと一直線。「秘伝のたれ」というコピーも、改めて期待をふくらませてくれます。

 ちなみにライスの量は、もともとの「並(350g)」でもすでに大盛クラスのボリューム。

 大食いの方は、さらに150円のライス券を追加することで、ライス券+1枚の「大盛(500g)」→+2枚の「特盛(700g)」→+3枚の「メガ盛り(1kg!)」までグレードアップすることができます。

秘伝のたれは、スーパーチャージャー&ターボ効果を両立

 やはり鉄板系の品々をオーダーする方が多いのか、店内の天井付近は、瞬く間に白い煙で薄っすらと覆われていきます。

 そうこうしているうちに、ジュージューと食欲をそそる音を立てながら、「鉄板焼肉定食」が着丼。

 ご飯の量もさることながら、ごっそりと盛り付けられた「豚肉」と「もやし」に目を奪われます。

 鉄板のにぎやかな音が残っているうちに、さっそくメインの豚肉を口に運んでいきます。

 甘辛仕立ての秘伝のたれは、全体としてはやさしい味わいながら、食欲をブーストするスーパーチャージャー&ターボ効果を両立。豚肉を挟みつつ、もやしやご飯に、休むことなく箸が伸びていきます。

未来へと受け継がれていく“ドライブインの魂”

 止まらない食欲にさらなるブーストをかけるのは、さりげなく添えられていた「にんにく」です。

 加えて、卓上に置かれていた「練りからし」も参入。筆者的には十分に多い「並(350g)」のご飯も、気が付けばペロリと平らげていました。

 実は去る2021年、同店は先代の急逝によって、閉店を余儀なくされた時期があります。その後、常連のひとりが経営を引き継ぎ、奇跡の復活を遂げたそう。

 そして、残っていた秘伝のたれが、当時の味を再現するうえでの大きな決め手になったのです。

 先代から受け継がれた秘伝のたれと、それを求めて今も集まってくる多くのドライバーたち。時代を取り巻く環境や店を切り盛りする人が変わっても、「みや古食堂」に流れている“ドライブインの魂”は健在です。

 初めて訪れる際は、まずは1番人気の「鉄板焼肉定食」からご賞味あれ。期待を裏切らない味わいやボリュームは、まさしく“鉄板”の選択肢といえます。