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【高市早苗vs適菜収「それでもバカとは戦え」】#8

【続きを読む】高市早苗は安倍銃撃を“政権批判封じ”に利用…動機不明の段階で「政治テロ」と決めつけた

■2023年3月11日付の紙面記事を再掲載

 2025年4月末まで6年3カ月に渡り、日刊ゲンダイに掲載された人気コラム「それでもバカとは戦え」で作家・適菜収氏が指摘した不安は的中している。なぜ裏金カルトの自民党が今なお権勢を振るっているのか。なぜ弱肉強食の新自由主義がはびこるのか。なぜ暮らしは置き去りなのか。アーカイブから振り返る(年齢、肩書は当時のまま)。

  ◇  ◇  ◇

 今回の高市早苗を巡る一連の騒動。前提として確認しておきたいのは、安倍晋三という異常な人物が、言論統制・言論弾圧を行っていたのは疑惑ではなく、客観的事実であるということだ。アメリカ国務省が発表した人権状況に関する2016年版の年次報告書には、放送局が政治的な公平性に欠ける放送を繰り返した場合、高市が電波停止を命じる可能性に言及したことを挙げ、「安倍政権によるメディアへの圧力強化に懸念が強まった」と指摘した。

 16年、国境なき記者団は「国境なき記者団は日本のメディアの自由の低下を懸念する」という文書を発表。「安倍政権によるメディアの独立性への脅し」「主要な放送局内で自主規制が進んでいること」などを挙げた。

 3月2日、立憲民主党の小西洋之議員が安倍政権時代に作成された総務省の内部文書を公表。そこには礒崎陽輔首相補佐官(当時)が14年11月26日に、放送法の解釈や違反事例などの説明を総務省に問い合わせてから、翌15年5月に高市が従来の政府見解を事実上見直すまでのやりとりが時系列でまとめられている。

 要するに政府にとって都合の悪いテレビ番組を潰すために悪党が動いたわけだ。内部文書には「現在の放送番組には明らかにおかしいものもあり、こうした現状は正すべき」という安倍の発言や「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある」という礒崎の発言も記載されている。

 当時、総務相だった高市は自身の言動に関する記述から「全くの捏造文書だ」と主張。捏造でなかった場合は閣僚や議員を辞職するかと問われると「結構だ」と答えた。その後、総務相の松本剛明が「すべて総務省の行政文書であることが確認できた」と述べ、礒崎が総務省に「問い合わせた」ことも認めた。内部文書によれば、礒崎は「この件は俺と総理が二人で決める話」「しかし、俺の顔をつぶすようなことになれば、ただじゃあ済まないぞ」と圧力をかけたという。

 結局、高市は議員辞職を否定、「私に関しての4枚については内容が不正確であると確信を持っている」とトーンダウン。アホくさ。ちなみに15年、礒崎は安保法案に関し「法的安定性は関係ない」と口を滑らせている。安倍政権がやったことは、自由と法に対する挑戦だった。(【高市早苗は安倍銃撃を“政権批判封じ”に利用…動機不明の段階で「政治テロ」と決めつけた】へ続く)

▽1975年生まれ。近著に「クソジジイ!ショーペンハウエル」「AIは人間を殺さない、飼い殺す」「安倍晋三の正体」など。著書60冊以上。7月29日に「高市早苗という病」を出版予定。「適菜収のメールマガジン」も発行、詳細は<https://foomii.com/00171>へ。オフィシャルサイトは<https://tekinaosamu.com/>。日刊ゲンダイ連載を書籍化した「それでもバカとは戦え」シリーズも好評発売中。