住宅価格の高騰が止まらないなか、マイホーム購入を検討している方に看過できないニュースが飛び込んできました。2026年5月の日本経済新聞の報道によると、「住宅ローン控除のお得感が薄れてきている」といいます。物件価格が上昇しているのに対し、国が定める住宅ローン控除の借入限度額は縮小傾向にあり、実際の流通価格の「2割弱」程度しかカバーできなくなっているのが現状です。

かつてのような「ローンを借りた方が得をする(逆ザヤ)」時代が終わりつつある今、どのように制度を活用すべきなのでしょうか。

今回は、らくだ不動産株式会社の執行役員・エージェントの八巻侑司さんと、チームリーダー・エージェントの鈴木成禎さんの2名が、縮小する住宅ローン控除の現状と、中古住宅の購入で損をしないための「書類確認のポイント」を徹底解説します。

◾️「借りた方が得」の時代は終了。縮小へ向かうローン控除
住宅ローン控除は、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が減税される制度ですが、鈴木さんは「今後も縮了・縮小傾向が進むのは間違いない」と指摘します。

「以前は超低金利のなかで控除率が1%だったため、変動金利で借りれば金利よりも戻ってくる税金の方が多く、まさに『借りた方が得』な状態でした。しかし現在は控除率が0.7%に下がり、金利も上昇局面にあります。住宅ローン控除はもともと期限付きの『時限立法』のような側面もあり、これからはよりシビアに制度の縮小と向き合わなければなりません」。

こうしたなか、予算を抑えるために新築から「中古住宅」へシフトする動きが強まっています。

◾️都心のコンパクトマンションに潜む「1000万円の罠」
中古住宅でも、一定の省エネ基準を満たせば新築と同等の減税を受けられるよう制度の拡充が進んでいますが、鈴木さんは「面積と所得の組み合わせに致命的な罠がある」と警鐘を鳴らします。

「床面積が50平米以上の物件であれば、購入者の所得制限は『2000万円以下』です。しかし、単身者やディンクスに人気の40平米台(40平米以上50平米未満)の物件で住宅ローン控除を受けようとする場合、購入者の所得制限が『1000万円以下』へと一気に厳しくなります」。
現在、都心の40平米台のマンションは価格が高騰しており、1億円近いものや、安くても6000万~7000万円台というケースが珍しくありません。「買えるだけの年収(1000万円超)があるのに、40平米台を選んだがために所得制限に引っかかって減税が受けられない」というパラドックスが起きているのです。