<大相撲七月場所>◇初日◇12日◇愛知・名古屋IGアリーナ 

【映像】カメラが捉えた取組前に大の里に生じていた“異変”

 名古屋の熱い夏が幕を開けた七月場所の初日、「左肩関節脱臼」による休場から2場所ぶりに満を持して土俵へと帰ってきた横綱が、天敵を前に本来の迫力を欠き、呆気ない引き技で敗れ去るという波乱が起きた。ABEMA解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「これはダメですよね」と取組前に生じていた大の里の“異変”を指摘。一体、何が起こっていたのか――。

 小結・義ノ富士(伊勢ヶ濱)が、横綱・大の里(二所ノ関)を押し出し殊勲の白星を挙げた一番でのこと。両者の対戦成績は、この初日の黒星を含めて大の里の0勝4敗(不戦敗1含む)となり、復帰場所を白星で飾れなかった横綱にとっては、まさに相性の悪さが露呈した格好となった。

 館内が異様な緊迫感に包まれた要因は、複数回にわたる立ち合いの不成立に表れていた。1度目の立ち合い、義ノ富士が先に立つも呼吸が合わずにつっかけると、不成立の直後に解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「いや、横綱が緊張してる」と大の里の異変を瞬時に見抜き、指摘した。

 続く2度目の立ち合いも、大の里がタイミングを合わせられず手をついたまま立てず不成立に。そして迎えた3度目、正面からぶちかましていった大の里だったが、いつもの横綱らしい圧倒的な破壊力は影を潜め、義ノ富士の圧力に押されると、堪えきれずに慌てて自ら引いてしまった。その一瞬の隙を見逃さなかった義ノ富士に猛然と押し出され、土俵を割った大の里は、両ひざに手をついてがっかりとうつむいた。

 取組後、実況が「横綱引いてしまった、初日黒星」と述べると花田氏は「緊張してるから。顔に出てるから……これはダメですよね。読まれちゃっている」と横綱の精神面から生じた異変を鋭く指摘。一方、義ノ富士については「落ち着いてよく見て、立ち合い何回か待ったしてるけど焦っていない。自信とかそういうのではなく、気力ですよね」。さらに「腰が高いですよね。前傾姿勢にならないのに立っているから、義ノ富士としては当たりやすいし、引いてくるのがわかるから、そこを前に突いていけばいいという考えであって……悪いのは横綱の方ですよね。当たってる音はするけど、立ち合いの角度も、前傾姿勢も悪い」と、完敗の原因について淡々と解説した。

 その上で、花田氏は「立ち直ってほしい。白星しかない。一気に横綱に駆け上がってきたけど、プロの土俵は色々と経験が必要。ただ勝てばいいという世界の仕事じゃない。早く上がれば上がったですごい苦労が来る。いま、経験してると思うんですけどね……」などと大の里の状態を慮った。

 するとABEMAファンも反応。「治ってないのかな」「自信なさそう」「完敗やないか」「あっさり引いて負けた」「大の里どうしたんだい?」「なんかかわいそう」と動揺と心配の声が広がる一方、「ダイキ切り替えるぞ」と激励の声も寄せられていた。

 二日目の取組は、過去に一度対戦し、敗れている新鋭の藤ノ川との一番を控える大の里。花田氏は「苦しいと思いますよ」と漏らした。大の里の巻き返しに期待したい。(ABEMA/大相撲チャンネル)