「VARは茶番だ」イングランドの同点弾が波紋 直前にボールがカメラに直撃して不自然変化 敗れたノルウェー側は怒り心頭「許されないスキャンダル」【W杯】

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電光石火のカウンターから同点ゴールを奪ったベリンガム。しかし、その一撃が波紋を呼んでいる(C)Getty Images

 白熱の一戦を制したのは、スリーライオンズだった。現地時間7月11日に行われた北中米ワールドカップ(W杯)の準々決勝で、ノルウェー代表と対戦したイングランド代表は延長戦の末に2-1で勝利。1990年のイタリア大会以来となる4強進出となった。

【動画】カメラに直撃して軌道変化 大きな波紋を生んだイングランドの同点シーン

 36分にアンドレアス・シェルデルプのゴールで先手を取られたイングランドだったが、前半アディショナルタイム2分にジュード・ベリンガムのゴールで同点とする。そして一進一退の攻防が続く中で迎えた延長戦の93分にふたたびベリンガムがゴールネットを揺らして逆転に成功した。

 圧倒的な“個”で支配をモノにしたイングランド。もっとも、試合後に小さくない物議を醸したのは、彼らの命を繋いだ前半アディショナルタイムの同点シーンでの浮上した“疑惑”だった。

 というのも、ゴール直前に行われたノルウェーのゴールキックが天井からぶら下がっているカメラのケーブルに接触。空中で軌道は変わり、突如として落下してきたルーズボールを拾ったイングランドがカウンターを開始。ノルウェー守備陣が対応しきれないうちにゴールを決めたのだ。

 通常であれば、ドロップボールからのリスタートが求められる局面だった。当然ながらノルウェー陣営はストーレ・ソルバッケン監督らが抗議をするも、VARによるチェックもなく、判定は「ゴール」のまま。国際サッカー連盟(FIFA)も、試合後に「ボールに搭載されたセンサーは、空中にある間に、『ボールの軌道変化』を示すグラフがピークを示さなかった。したがって、ボールがケーブルに触れ、動きが変わったという証拠はなかった」と声明を発表。あくまで自然な軌道変化であり、問題はなかったとした。

 ただ、米スポーツ専門局『FOX Sports』が発信するハイライト映像を見返す限り、ケーブルに当たって、不自然な落下をしているように見える。それだけにベリンガムの1点目に正当なジャッジが下されていたのかは波紋を生んだ。

 元ノルウェー代表MFのヒェティル・レクダル氏は、地元紙『VG』に対して「あんなことが起きるなんて、まったくおかしな話だ!」と激高。「審判団は全く気づいていなかった。これは許されないスキャンダルだ。もしも、ワイヤーに引っかかって止まったのなら、そのボールはドロップボールになるべきだ。これは本当に悔しいね」とやりきれない心情をぶちまけている。

 また、ノルウェーの大手紙『Dagbladet』は「サッカー界におけるVARとはなんという茶番だろうか。本来、選手たちを助けるためにある技術が、結局は破滅させているというのは皮肉でしかない。これは全くもってスキャンダルだ」と強く訴えている。

 イングランドの力強さが目立った一戦だったが、その判定を巡っては後味の悪さが残っている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]