「我々は夢叶え隊」結婚式を挙げられない夫婦に贈る夢婚10年 結婚の形変化の中で価値を発信
木曜特集です。事情があって結婚式をあげられなかった夫婦に式をプレゼントする山形ウェディング協議会が行っている「夢婚」の事業がことしで10年目を迎えました。結婚を取り巻く環境が変わりゆく中、結婚式の素晴らしさを伝え続けた10年の取り組みを見つめました。
去年9月。
「皆さま拍手でお迎えください」
式を挙げた佐藤さん夫妻は、3年前に入籍したものの、その年に長女が誕生したため、育児や仕事に追われて結婚式を挙げることができませんでした。
この結婚式をプロデュースしたのが、山形ウェディング協議会です。協議会が設立されたのは2016年。
「今の若い人たちは結婚=結婚式ではなくなってきた」
結婚式を挙げるだけの金銭的な余裕がないといった経済的理由のほか、準備が面倒、注目されるのが恥ずかしいなどの理由から結婚式を挙げるカップルは年々減少。新型コロナの影響もあり、今では、結婚するカップルのおよそ6割が結婚式を挙げない選択をしています。ウェディング協議会は、顧客の取り合いではなく、結婚式の良さを発信していこうと、毎年1組に夢婚を贈り続けています。
「2024年の夢婚歩いてくるときについ涙を流してしまうくらい感慨深い思いでした。思い出の懐かしい場所で懐かしい人たちと一緒に迎えられて温かい気持ちになった」
協議会 早坂和男会長「大小問わず結婚式をすることが、二人の人生の門出になり、一生に一回の素晴らしい機会になるので皆さまに伝えていきたい」
今年の夢婚を贈るカップルを決める会議。
犬飼さん「担当を5組決めてヒアリングしてきました」
15件の応募の中から3つのカップルが最終候補に残りました。
「エントリー理由は金銭的なところがあったのですが、めちゃめちゃ熱い人たち。役場にも知り合いがいて、町をあげて盛り上げたい」
自分たちの生まれ育った大石田の良さを夢婚を通して発信したいというカップル。
「経済的理由で結婚式を挙げられなかった。町への感謝ということで道の駅大江町でやりたい」
移住した大江町に感謝を伝えたいカップル。
「子ども5人いるしこの機会が無くなったら今さら結婚式をすることがない。去年お母さまが亡くなって結婚式を見せられなかった後悔がある。子どもから結婚式していないのに結婚しているのかと聞かれる付き合って結婚したことを結婚式をすることで見せたい」
子どもに結婚式を見せたいカップル。結婚式を挙げたいそれぞれの理由が説明されます。
犬飼さん「道の駅だとフリーの方も来る」
「式を挙げられるけど結婚式に価値を見出せなくて式を挙げない人がたくさんいる。若いけど大石田町が好き地元の良さを伝えていきたいというメッセージ性が強い」
「結婚式挙げてないのに夫婦なのというコメントを投げかけられたんです」
議論は白熱します。多くの人に見てもらい、結婚式の良さを発信できるか、共感できるメッセージ性があるか。2時間近い話し合いの結果。
「星川さんがいいと思う方。星川さんですね。そんな1票差で?こうしないと決められないので。よければ拍手をお願いします。これくらい重いんです。夢婚を決めるということは」
大石田町の星川さん夫妻に今年の夢婚が決まりました。
6月19日、今年の夢婚に決まった星川夫妻と初めての打ち合わせです。
「ご無沙汰しております。すみません平日に。よろしくお願いします。もっときれいな恰好で来ればよかった。当選おめでとうございます。頑張りますので、よろしくお願いします」
この日は、さっそく夢婚の会場の候補地を回りました。
「結婚式を金銭面などの理由から挙げられなかったので、応募させていただきました。家でご飯食べてたんですが全部吹き出してしまいました。みんな喜んでくれて」
二人がこだわったのは、大石田のそば畑。
「僕が一番いいなと思ったのはあそこの芝生のところ。ここが第一候補です」
一面にソバの花が咲き誇る9月上旬に、お世話になった人達を100人規模で招いた式を計画しています。
「こんなイメージかなーと思って作ってきたんです。うぉー!!すごい。挙式会場にソバ畑が広がって山が見えてという」
式のイメージに目を輝かせる二人。衣装や演出、招待状など決めるべきことはたくさんあります。
「こういうことやりたいということを調べてみて。できる限りノーとは言いません。我々は夢叶え隊。ハイかイエスか喜んでしか言いませんので。よろしくお願いします。ありがとうございます」
夢婚に向けた準備が動き出しました。
10年続いた夢婚の取り組み。動きは全国に広がっています。3年前には全国エリアウェディング協議会が設立。ことし初めて山形で総会が開かれ、結婚式の良さをいかに伝えるかについて熱い議論が交わされました。
全国エリアウェディング協議会 中村卓会長「自分たちが一番大事な時に大切な人たちだけを集めて集える。これって2度も3度も同じことは絶対に行えない。そこに集った人たちが過ごす時間は奇跡の時間。親御さんに対する感謝の気持ちは昔と変わらない。その感謝の気持ちを伝えつつ大切な人たちに誓いを立てて承認を受ける。その奇跡の時間を無駄にしないでほしい。機会を失わないでほしい」
奇跡の時間を大切な人と共有する結婚式。生活の中で儀式のカタチが変わりゆく中、新たな夫婦の門出を祝福する結婚式の良さを伝える運動が続きます。

