車載電池CATL董事長が業界の現状に警鐘、「人と技術持っていかれる」とも―中国
中国の車載電池大手、寧徳時代新能源科技(CATL)の曽毓群(ロビン・ゼン)董事長がこのほどメディアの取材に応じ、業界の現状や存在するリスクについて警鐘を鳴らした。中国メディアの快科技が伝えた。
記事によると、曽氏は「多くの人が電池業界に参入しようとする際、最初にCATLから人材を引き抜いたり技術を少し盗んだりする。その後、設備メーカーや材料メーカーに行ってどのような配合なのかを調べ、それらをひとまとめにした上で業界に参入する」と述べた。
曽氏によると、他社の模倣レベルは60〜70%程度とみられるが、低価格を武器にした競争が行われている。
例えば、一部企業の調達では意思決定者が当期のKPI(重要業績評価指標)の達成だけを指針とするが、電池の品質の検証には長時間を要し、潜在的な欠陥が車両使用開始から3〜5年後に初めて現れることは少なくない。
曽氏は、こうした低価格競争が効果を発揮してしまう根本原因は一部市場参加者の浮ついた姿勢や短絡的な行動にあるとの認識を持っている。
曽氏はまた、「現在のリチウム電池業界が太陽光発電業界のような壊滅的な過当競争に陥っていない核心的理由は、CATLが自発的に製品価格体系を維持しているからだ」と指摘。「CATLが価格引き下げを行えば、リチウム電池業界の悲惨さは太陽光発電業界をはるかに上回る」とも述べた。
曽氏によると、太陽光発電業界の状況はリチウム電池業界が重い教訓とするのに値し、中でも最も核心的な問題は知的財産権の保護が不十分だった点にある。最先端の研究開発技術が簡単に流出し、同業他社にそのまま模倣されてしまうため、研究開発企業は巨額投資に対する合理的な市場リターンが得られない。その結果、企業のイノベーションへの積極性がそがれ、業界の質の高い発展を制約することになるという。(翻訳・編集/野谷)
