【侍ジャパン】森下翔太 虎野手史上初の決勝T弾も悔し 「メジャー体験」糧に28年ロス五輪で雪辱だ
◇第6回WBC決勝ラウンド準々決勝 日本5―8ベネズエラ(2026年3月14日 マイアミ)
侍ジャパンの世界一連覇はならなかった。第6回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の準々決勝に臨んだ日本は14日(日本時間15日)、ベネズエラに5―8で敗れ、6大会目で初めて4強入りを逃した。2回から途中出場した森下翔太外野手(25)は3回1死二、三塁から一時は勝ち越しとなる左翼ポール際へ3ラン。佐藤輝明内野手(27)の適時二塁打に続いた。大谷翔平投手(31)が出場に意欲を示す28年ロス五輪で、虎の最強コンビも雪辱を期す。
試合後、森下の言葉には充実感と悔しさが交差した。「悔しいですけど、自分の中ではよく周りを見られた。一流選手を生で体験できたことが(今後の)シーズン、国際大会につながる」。WBCでは初めて4強入りを逃した。それでも、ローンデポ・パークに多く詰めかけたベネズエラの大応援団を、森下のバットが黙らせた。
「自分なりの100%を出そうという心構えが、いい形につながった」
2―2の3回1死二、三塁。カウント2―2から、昨季メジャー12勝左腕のR・スアレスのチェンジアップを拾った打球は、左翼ポール際に飛び込む一時勝ち越しとなる3ランとなった。阪神野手のWBC決勝トーナメントでの本塁打は史上初だ。直前の打席で佐藤輝が右翼線へ適時二塁打。折り紙付きの勝負強さを発揮する男が、兄貴分の姿に触発され、世界の舞台で“輝森コンビ”が一度は試合をひっくり返した。
「(鈴木)誠也さんが痛がっている姿を見て、(出番が)あるんじゃないかなというふうに思っていた。意外と冷静になりました」
味方にアクシデントが起ころうが、地に足をつけてプレーする姿が頼もしい。初回2死一塁から二盗を試みた鈴木がヘッドスライディングの際に右膝を負傷。2回から予期せぬ出番が回ってきた。ただ、23年の「アジアプロ野球チャンピオンシップ」、翌年の「プレミア12」では侍ジャパンの中心選手としてプレーし、技術面同様に成長を遂げたメンタルを大舞台でもうまくコントロールした。
井端監督就任時から日本代表メンバーに選出され、ともに戦った3年間の道のり。「1年目から使っていただいてその経験があったからこそWBCでも堂々とプレーできた」。マイアミで描いた放物線は、指揮官への感謝の一打でもあった。
「メジャーリーガーの方たちのすごさを肌感覚で体験できた。(今後成長する上で)一つの基準になったかなと思う」
MLB選手が出場する方向で進んでいる28年のロサンゼルス五輪。試合後、大谷は出場に意欲を示した。国際大会で経験を積んできた森下も、五輪の出場権がかかる来年の「プレミア12」の優勝から、ロス五輪に出場することが目標の一つ。次の国際舞台で金色のメダルを必ず獲ってみせる。(石崎 祥平)
○…佐藤輝がベネズエラ戦の3回に適時二塁打、続く森下が3ラン本塁打を放った。佐藤輝の打点、森下の本塁打はそれぞれ、阪神野手によるWBC決勝トーナメント(第4回大会までは準決勝以降、第5回大会以降は準々決勝以降)および米国開催の試合での初打点、初本塁打となった。過去WBCで阪神野手の打点、本塁打はいずれも、13年鳥谷の2次ラウンド・オランダ戦(東京ドーム)初回先頭打者本塁打による1点のみだった。
