増え続ける不登校生の居場所づくり 教室に戻るその日に向けて 生徒に寄り添う学校の取り組み 広島
不登校の小中学生は、2024年度に35万人を超え、過去最多を更新しました。「学校生活にやる気が出ない」「生活リズムの不調」「不安」などの理由が目立っているということです。こうした不登校の生徒に寄り添う、居場所づくりをすすめる学校があります。現場を取材しました。
フォロワー数3万4000人の『TikTok校長』として話題の、広島桜が丘高校校長・安藤正晴さんが発信しているのは、『学校改革』です。現在、力を入れて取り組んでいることがあります。
「今、不登校というのが大きく取り上げられてですね。 数万人が二十何万になって、去年はもう35万人に迫る。」
不登校の生徒が、学校に通えなくなった理由はさまざまですが、学校に戻りたいと思い、高校に進学した生徒も少なくありません。
広島桜が丘高校には、特別な部屋があります。
■広島桜が丘高校 安藤正晴校長
「こちらが『リセットステーション』になります。教室に入りづらかったり、そういう子が学校に来れば、教室をオンラインでつないで授業参加という形。」
『リセットステーション』は、教室に入るのが難しいという生徒が利用します。現在、17人が通い、常に教師が見守っています。クラスとはオンラインでつながり、同じ授業を受けることができます。
■広島桜が丘高校 安藤正晴校長
「授業をちゃんとやっとるかということよりも、まずは学校に来て別室でも授業を受けようとすることが、僕は素晴らしいことだと思うんですよ。『ようきたね』と、家ではなくて学校とつながっているということが、僕は大事だと思っています。」
広島桜が丘高校には、これまで不登校だった生徒が1クラスに10人ほどいます。目指したのは、通いやすい学校づくりです。小児科の医師でもある、理事長が推し進めました。
■広島桜が丘高校 増田宏理事長
「不登校の子どもたちが増えていく中で、学校が変わらなきゃダメなんじゃないかと思っていて。不登校の子どもたちというのは、つまずいちゃったんですけども、それをなんとか支えてリセットをして、また元通り、さらに頑張れるような、そういった環境をつくってあげて。それが、学校教育のあり方でありたいと思いますね。」
利用する生徒に、話を聞きました。
■リセットステーションに通う生徒
「みんなと同じ空間で(授業を)受けたいという気持ちはあります。でも、足が向かないみたいな。いざ行こうってなっても、ぎりぎりまで悩んで行かないでおこうかなと。中学校のころにごたごたがあったので。(リセットステーションは)自分にとっては、安心できる場所かな。 だんだんと(教室に)戻り始めたいとは思っているんですけど。僕みたいに中学校、小学校のころ行けていなかった人も、あそこに入れたら安心できるんじゃないかな。」
学ぶことが好きで、毎日『リセットステーション』から授業に参加しています。
■リセットステーションに通う生徒
「将来の夢としては、ずっと昔から動物園の飼育員になりたいって言っていたので。 飼育員になれずとも、動物に関われる仕事ができればいいなと思って。」
教室に戻り始めた生徒もいます。彼女は『リセットステーション』に、およそ4か月間通っていました。現在は、ほとんど教室で授業を受けています。
■教室に戻った生徒
「教室で少しでも人と話したいなと思ったので、『教室に行きたい』って先生に言いました。最初は行っても大丈夫なのかなって思ったけど、行ってもみんな受け入れてくれたので、教室に通う回数が増えました。」
この生徒は、通信制ではなく、全日制にどうしても通いたかったといいます。
■教室に戻った生徒
「人と話すのが、中学の時で嫌いになっちゃって、心を許した人じゃないと全然話せなくて。全日制だったら、クラスも変わるし、人数も多いし、毎日みんなと会えるし、変われるかなみたいに思ったからです。」
この日は、学校の外でビジネスの授業です。企業と連携し、再利用が可能なものを集めて、海外へ輸出するというものです。授業の趣旨を、しっかりと説明します。
■生徒
「きょうはお忙しい中、お時間をいただいてありがとうございます。」
■教室に戻った生徒
「いつもお世話になっているみなさんへ、資源回収を行っています。」
■教室に戻った生徒
「中学の時は、全然人の目を見て話せなかったけど、高校になって、明るくなったみたいな感じで、人の目を見て少しでも話せるようになりました。」
きっかけをつかんで欲しい。人や学校とのつながりを絶やさないための居場所が、効果を生み始めています。
■広島桜が丘高校 安藤正晴校長
「一人でやっぱり生きていけないんですよね。人と関わっていかないといけないし、大人になって自分で考え、行動して、判断して、決断していく。学校に行かなくても高校卒業できるというよりも、学校とつながって、人とつながってというのが大切だと考えています。」
学校に通えない生徒は、年々増え続けています。だからこそ、つながり続けられる居場所をつくりたい。生徒を支える学校づくりの模索が続きます。
【テレビ派 2026年2月24日放送】
