広島テレビ放送

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広島県の無形民俗文化財に指定されている、三次の鵜飼。用いるのは『笹舟』と呼ばれる独特の細長い船です。海の向こうから強力な助っ人が参加して、新しい船が作られました。

三次で8年ぶりとなる鵜舟づくりに参加しているのは、アメリカ人和船研究家のダグラス・ブルックスさんです。地元の船大工・天京博文さんに弟子入りし、作業に勤しんでいます。

■和船研究家 ダグラス・ブルックスさん
「船をつくるときは、髪は白くなります。」

450年の歴史がある三次の鵜飼は、現代に受け継がれる夏の風物詩です。鵜匠が巧みな手縄捌きで鵜を操り、アユを捕らえます。その舞台となるのが、川面に浮かぶ鵜舟です。

三次の鵜舟は、『笹舟』と呼ばれる細長い形が特徴です。

■和船研究家 ダグラス・ブルックスさん
「この鵜舟の形は、すっごくきれいです。長いと細い。好き、好きです。」

船大工の天京さんは、現在70代。伝統技術の継承に心を砕いています。

■船大工 天京博文さん
「どうしてもね、こういうものは残していかんと。」

そこに、今回短期で弟子入りしたのが、ブルックスさんです。ブルックスさんは、日本の和船づくりに魅了され、30年余り研究者として日本各地に出向いています。

船づくりに参加する中で、気付いたことがありました。作業の合間に、こまめにメモを取ります。板の切り方や勾配のつけ方などが、びっしりと書き込まれていました。

■和船研究家 ダグラス・ブルックスさん
「師匠さんは、だいたい図面がありませんでした。私のアイディアは、弟子入りして、私はデザインの秘密と寸法の秘密とか、技術を記録したいです。」

鵜舟造りには、鵜匠の日坂文吾さんも立ち会い、伝統的な製作工程を見守ります。

■鵜匠会会長 日坂文吾さん
「天京さんとダグラスさんが国境を越えたやりとりで、職人の心と心というのは通じるんだなと思いながら、作業を見ています。」

鵜舟づくりを始めて10日目。作業場では、最後の仕上げが行われ、長さ9メートル、最大幅は90センチの『三次の笹舟』が完成しました。

■船大工 天京博文さん
「はい、これで完成です。」
■和船研究家 ダグラス・ブルックスさん
「おめでとう。安心しました。」

■和船研究家 ダグラス・ブルックスさん
「天京さんが私のために、これだけ時間を割いていろいろと教えてくれた。本当に心から感謝している。」

■船大工 天京博文さん
「(ブルックスさんとの共同作業は)楽しいですね。彼は研究熱心で、これを図面化して、本で出版するから。上出来です。」

同じ木造船づくりに魅了された者同士。国や文化の違いを超え、心を通わせ合いました。6月1日のシーズンインを、真新しい船が盛り上げます。

【テレビ派 2026年2月27日放送】