「AIに代わられない職業」国家資格・歯科衛生士 なぜ足りない?新卒倍率14倍 今では男性も第一線に
予防を支える歯科衛生士
近年、歯科医院の現場で注目されているのが「歯科衛生士」です。新卒の求人倍率が14倍になった、その理由を追いました。
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歯科医院の受診は「虫歯を治すため」というイメージがありませんか?
実は今、虫歯の治療目的で行く人の数はわずか3割。残り7割は虫歯や歯周病の「予防」が目的なんです。
その予防の現場を支えているのが、国家資格・歯科衛生士です。
歯科衛生士は診療の補助に加え、歯石除去や歯周病の予防処置、歯磨きなどの保健指導を担う専門職。
予防歯科の中心的存在として、需要が高まっています。
ところが・・・。
「全く足りていない」
伊藤歯科医院 伊藤明彦院長「全く足りていない。例えば東京都は今、半分くらいの歯科医院に歯科衛生士がいないような状況」
――いないって、0人ですか?
伊藤院長「0人です」
需要に人材の確保が追い付かないうえ、女性の割合が多いため、結婚や育児をきっかけに離職するケースも少なくありません。
こうした背景から、全国的に深刻な人手不足です。
では、熊本県内の状況はどうなのか。熊本県歯科医師会に尋ねました。
熊本県内も…
熊本県歯科医師会 牛島隆会長「県内には800~900軒の歯科医院がありますが、その8割、9割は足りていない。それが求人倍率にも影響している」
新卒の有効求人倍率は、なんと。
牛島会長「14倍。14件求人を出しても1人しか来ないという状況。非常に厳しいです」
しかも倍率は年々上昇しています。独自の奨学金制度を設けて、新卒を確保する歯科医院もあるほどです。
その一方で、就職率の高さや待遇の改善などから、進路の選択肢としての関心が高まっています。
例えば、給与面では。
牛島会長「給与は上昇し続けているため、かなり条件が良くなっていると感じる」
また、将来性について歯科医院の伊藤院長はこう語ります。
伊藤歯科医院 伊藤明彦院長「AIに代わられない職業。そういう点が、歯科衛生士を目指す上で重要」
では、どうすればその道に進めるのでしょうか。
900時間の実習を経て
熊本市中央区にある、熊本歯科衛生士専門学院。
歯科衛生士になるためには、こういった専門の養成機関で3年以上学ぶ必要があります。
最終目標は、国家資格の取得です。
その合格率はなんと9割以上。しかし、その数字の裏には相応の努力がありました。
熊本歯科衛生士専門学校 野中友紀子教務主任「3年間を通して実習時間が約900時間。しっかりここをとっていただかないと卒業の認定を与えられない」
膨大な実習に加え、数々の試験。その積み重ねが9割を超える合格率に繋がっています。
女性だけじゃない
女性のイメージが強い歯科衛生士ですが、近年では男性の姿も増えてきました。
伊藤歯科医院で働く吉川幸長さんは2年前、熊本歯科衛生士専門学院で初の男性卒業生となり、現在は第一線で活躍しています。
吉川幸長さん「自分を少しでも目標にしてもらえるようなパイオニアになれたらいいのかなと思います」
吉川さんが感じる、歯科衛生士のやりがいとは。
吉川さん「やっぱり一番は患者さんが笑顔で帰ってくれたりとか、帰る時にありがとうと言ってもらえる仕事っていうところが一番自分はやりがいを感じます」
人々の笑顔と健康を守る、歯科衛生士という職業。社会に求められる存在として、その扉は今、男女を問わず、広がりを見せています。
