20代〜50代が本気で推す、今だからこそ食べたい極上ラーメン
50歳からの大人世代におすすめしたい新店と名店の醤油・塩を担当したライター松井&編集戎、味噌・豚骨の菜々山&編集荒川、かけの肥田木&編集武内が約1か月の取材を振り返りつつ、それぞれの年代が今こそ食べたいラーメンをホットに主張する。年の差最大約30歳の大激論会!?です!
大人が食べたくなる旨いラーメンとは
戎「今回の特集は“50歳からのラーメン”。42歳の僕ですが、そもそも胃弱でこってり系が得意じゃないってことを考えると、既にこの企画にフィットしてるかも」
松「ふふ、私は胃もたれや胸やけとは無縁の人生だから背脂も濃厚系も未だに大好き。好物はご飯が進むラーメン。濃厚上等(笑)」
肥「マジか……ま、最初からこれ言ったら何だけど、好みはそれぞれ、年齢はただの数字だよね。ほら、自販機で『ミルクセーキ飲みたい。ボタン10回ぐらい押したら間違って出てこないかなー』と買う前に連打する小学生みたいな年齢55ちゃいも隣にいるし(笑)」
武「少年の心を持つと言ってください!でもさすがに50歳を超えるとよくわからないラーメンには手が伸びなくなったなあ」
松「例えばどんな味?」
武「トリュフとかポルチーニとか、松井さんとは逆で濃厚過ぎる味、所作が面倒なのも。よく考えるとそういった未知の味を知りたいという欲がなくなってきたのかも。昔食べた“おいしい”をどこかで探しているんだと思います」
菜「うん、若い頃は物足りないと思っていたフツーの中華そばが年々落ち着くようになってきた。とはいえ45歳の私としてはこってり系もまだいける!と思ってるけどねぇ、最近血圧も気になるお年頃なんで、しょっぱさにやや敏感。チャーシューもバラよりロースの方がありがたい。というか別に必要ないと感じる時も多い」
肥「それそれ、まさにかけラーメンは大人に味わってほしい味だよ。派手な具にごまかされず、スープと麺をシンプルに楽しめるのはある意味、究極のラーメン。でもそれは素材や手法にこだわる本物の味じゃないとダメだけどね。あと、好きな具を別皿で頼んでカスタマイズできるのも魅力。年齢を重ねていろいろ経験してるからこそ、ラーメンに限らず本質的で上質なモノを求めるのが50代!」
武「かけはスープに使う素材の重なる旨み、醤油や塩ダレと一緒になることで生まれる繊細な味わい、麺(小麦)の風味がダイレクトに楽しめるんですよね。チャーシューもメンマも素晴らしいけど、誤解を恐れずに言えば、それらから滲む風味が純粋なスープの味を濁らせている印象。それも含めて完成された一杯だろという声もあるでしょうが、チャーシュー大好きな僕がここまで思うんです!」
菜「語るねえ、続けて続けて」
武「潔さ、こだわりゆえの自信、着飾らない姿。引き算の美学がわかるようになった今の年齢だからおいしいと思えるのかも。一度、かけを食べてみてください。店主が一杯に情熱を掛ける理由がわかるのではないかと思います」
荒「でもトッピングが豊富に揃う方がうれしくないですかぁ?」
肥「でたな、20代(笑)」
荒「どうも!家系、背脂、二郎系もペロリなイケイケ荒川でっす。やっぱり僕の周りはひと口目からガツンとくるその3種+豚骨が好まれる印象。食べ応えのある味もそうなんですが、家系のライスや二郎系のマシ、豚骨の替え玉のように“お腹いっぱい食べたい”ってのも大きい気がします」
松「じゃあ店探しは苦戦した?」
荒「頭の中が“?”だらけ。そもそも20代の僕に50歳からのラーメンなんてわかる訳ないでしょ!なんて思ったりもして(笑)」
菜「まあそうだろうね〜」
戎「40代の主張としては、いわゆる全部乗せ的な“特製”をまだギリで食べられる年代なんですよ。今はどの店もトッピングがおいしいから堪能したい。でも満腹でちょっと後悔するお年頃……とまあいろいろ考えた結果の今回の掲載店です。和歌山ラーメン『まるあ中華そば』はホッとする味わいで、んま〜いとじわっと声が出るほど。沁みましたぁ」
『まるあ中華そば』中華そば930円

『まるあ中華そば』中華そば 930円 「令和の時代にも和歌山ラーメンの味を伝えていきたい」と、昔ながらの製法で作る。梅花形のナルトも“らしい”
新店でおすすめはあっさりご当地系
武「新店はご当地系が多いね」
松「そう。会津の『いわいや』とかね。どの店も地元のお酒など郷土の味が豊富。ご当地ではないけど『GOTTAKU』も一品料理が充実してるし、お酒と楽しめる店が増えてる。で、あっさり系ラーメンで〆られるところも大人世代向き」
『炭火焼き・あゆラーメンGOTTAKU(ごったく)』あゆラーメン 1400円

『炭火焼き・あゆラーメンGOTTAKU(ごったく)』あゆラーメン 1400円 鮎節を軸に鶏ガラや香味野菜を加えてやさしくダシをとる。麺は歯切れのいい低加水麺
戎「いやあ『GOTTAKU』の鮎が乗ったラーメンは衝撃!」
松「ラーメンに使う干物類もすべて手作りしていて、トッピングの一夜干しも注文ごとにひとつずつ炭で焼く手の掛けようなの」
戎「名店では『Tombo』や『時空』のようなダシを感じる和の味も50 歳からのラーメンにピッタリでは」
『Tombo(とんぼ)』味玉汐の旨味ソバ1500円

『Tombo(とんぼ)』味玉汐の旨味ソバ 1500円 鶏と豚、魚介のスープをそれぞれ別に炊き、おいしさのピークを追求。塩分ではなく旨みで魅せる
『塩そば時空』特製塩そば1450円

『塩そば時空』特製塩そば 1450円 北海道産「ゆめちから」が主体のブレンド粉「双力」を使った自家製ストレート麺。細めだがコシがあり、噛むたびに小麦のおいしさを実感。コリコリの軟骨つくねも美味
松「うん、『Tombo』は鶏と豚、魚介のダシのバランスが素晴らしい。女性や年配の方もスープを飲み干していくそう。さっきは濃厚系が大好きと言ったけど、年を重ねてダシの旨みをより欲するようになったかも。あと『大至』もいいよ。いつ訪ねても安心して“おいしい”を体感できる。こんな店が何十年も愛される老舗になっていくんだろうなぁ」
菜「まさに豚骨でそんな老舗を取材したよ。真面目に取り組んできたからこそ50年近くも続くんだと思ったのが『赤のれん』。名前は知っていたけど初めて行って感心した。店内は豚骨のイヤな匂いがほぼしない。スープもコクはあるけどあっさりで、中年以上の胃袋にもかなりやさしいよ」
荒「『一福』もそう。やさしい味噌にほっこりしてずっと変わらないスッキリした味もいいなあと考え方が変わりました。いつ訪れてもあの頃と同じ旨さ、同じ雰囲気で待っていてくれる。そんな心安らぐ空間と味わいこそが年を重ねても食べたくなるラーメンの条件だと思います。脂や塩分がやさしいことはもちろんですが、味や店の雰囲気も含めて“安心して食べられる心地よさ”が大事ではないでしょうか」
肥「ねえ本当に20代? 中に小さいおじさんでも入った?」
菜「あはは。てか味噌でもう1店いい?私がびっくりしたのは『あさひ町内会』。週末は昼だけで200杯近く売り上げるんだって。たった15席の店でだよ!?作る時に味噌をしっかり焼くのがポイントで、ラードも効いてるけどペロッとイケちゃうのは完成度の高さにあると思う」
戎「いろいろ食べ歩いて、この手のラーメンの魅力のひとつは毎日でも食べられること。箸の進み具合はもとより後味の余韻もいい。店を出て『あ〜おいしかった、また食べたい』となるんですよね」
肥「50歳からのラーメンは上質で飽きのこない味、通い続けたくなる店。てことでまとめていいかな?イケイケ荒川君(笑)」
荒「まだまだ脂っこいものも大好物な僕ですが、そんな魅力のある店との繋がりも大切にしながら年を重ねていきたいと思います!」
文/肥田木奈々、撮影/大西陽(まるあそば)、 西崎進也(GOTTAKU)、小島昇(Tombo)、小澤晶子(時空)
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※月刊情報誌『おとなの週末』2026年2月号発売時点の情報です。
