「残って練習してきた」ドイツで評価急上昇の日本代表アタッカーが“覚醒”した理由 本人は満足せず「上のレベルにはいけない」【現地発】
フライブルクはDFBポカールの準々決勝で2部のヘルタ・ベルリンをPK戦の末に下し、準決勝進出を果たしている。この試合の延長戦で鈴木は貴重な今季5点目となる先制ゴールをマーク。味方のプレスに焦った相手DFのGKへのパスを読み切ると、鋭い出足で奪い、GKと対峙する。うまくシュート前にワンタッチおいてタイミングをずらしてゴールネットを見事にゆすってみせた。
試合後に振り返った鈴木は「落ち着いて打てた感覚は良かった」と前向きに捉えながら、「シュート前にワンタッチ置く形は、個人的に残って練習してきた部分なので。やっぱり努力するしかないなと思います」と日ごろの取り組みの成果が出ている点を明かしてくれた。
ヘルタ戦でのゴールもそれが感じられた。慌てて打つのではなく、ちょっとずらして決めきる。シュートの上手さはすでにチームでも高く評価されており、よりペナルティエリア内でボールを受けるシーンが増えてきたら、鈴木のゴール・アシスト数は自ずと伸びてくるはずだ。
得点機以外でも攻撃で存在感を示している。ブレーメン戦では同僚のスイス代表MFヨハン・マンザンビがレッドカードで退場処分に。この日はベンチスタートだった鈴木は、すぐにユリアン・シュースター監督に呼ばれると、40分も数的不利の状態で戦うことになった。
チーム一丸となって守備組織を固めつつ、巧みなドリブルでボールを運び、時間を作るプレーがどれだけチームの助けになっていたことか。
「奪った後にどうプレーするかは大事。やりすぎないことを意識しつつ、孤立する場面では思い切っていこうと思っていた」と優れたバランス感覚と実践力の高さを見せてくれた。
もっとも、本人は満足していない。
「ああいう場面でも得点まで行き切りたい。スピードを落とさずに1対1まで持っていけないと、もっと上のレベルにはいけない」
困難な状況でも揺れない思考と向上心。周囲の評価も急上昇している鈴木は着実に、チームを勝たせる存在へと歩みを進めている。
取材・文●中野吉之伴
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