60代、「実家の片づけ」でやってよかったこと5つ。片づけられない親に、遠方からできること
実家の片づけで、遠くに住んでいるからこそ工夫したこと、やってよかったことを紹介します。教えてくれたのは、カナダ在住でもたない暮らしの発信をしているブロガーの筆子さん(60代)。筆子さんはカナダに住んで30年。日本の実家には5年に1度ぐらいしか帰っていないそう。それでも、帰省のたびに少しずつ片づけを続け、ものを減らすことができました。その理由をお聞きします。

1:「帰省=片づけ」を習慣にする
実家の片づけで難しいのは、親にどうきり出すかということではないでしょうか。
私の場合、最初から「実家を片づけよう」と大きく構えていたわけではありません。最初の数回の帰省では、自分が実家に残していたものを片づけることに集中していました。
独身時代の服や本、学生時代からためこんでいた雑貨など、置きっぱなしにしていたものがたくさんあったからです。
自分のものを何度か捨てているうちに、母も「娘が帰ってきたら片づけをする」と思うようになったようです。
私がミニマリストであることは母もよく知っています。だから、帰省前に「片づけをしよう」とわざわざ伝えなくても、自然と「じゃあ片づけようか」という流れになりました。
実家の片づけをしたいと思っているなら、まずは自分が残しているものを片づけることから始めてみるといいかもしれません。
親に「捨てて」と言うより、自分が率先して片づける姿を見せるほうが効果的です。
2:帰省中は毎日少しずつ、無理なく片づける

10年ほど前に帰省したときは、母と一緒にかなり集中的に片づけをしました。
といっても、1日中やっていたわけではありません。平日の午前中、朝の涼しいうちに30分ぐらい片づけて終わりにしました。夏だったので、暑くなる前に終えるようにしたのです。
週末はお休み。お互いに用事で外出する日もあるので、毎日必ずというわけでもありませんでした。
続けられた理由の1つは、私がその片づけをブログの記事にしていたことです。「今日はこれを片づけた」と記録することで、私自身のモチベーションになっていました。母に「ブログのネタにしたいから」と伝えていたので、母も協力的でした。
実家の片づけは長期戦です。一度にたくさんやろうとすると、お互いに疲れてしまいます。帰省中に関係がぎくしゃくしてしまっては元も子もありません。「今回はここだけ」と決めて、少しずつ進める方がうまくいきます。
3:遠方からでもできることでサポートする

帰省したとき、実家にはものすごい量の通販カタログがたまっていました。
母はテレビショッピングを見るのが好きで、気になる商品があるとカタログを取り寄せていたようです。どのカタログも立派で重く、捨てるのが大変だったので、実家にいる間にカタログを止めることを思いつきました。電話やメールで発行元に連絡をして、1つ1つ配送を停止しました。
カナダに戻ってからも、「最近、カタログが来てない? メールで止めるから教えて」と母に伝えました。こうした小さなサポートは、離れていてもできます。
もう1つやってよかったのは、自分の著書や掲載誌を母に送ったことです。
私は片づけに関する本を何冊か出していますし、雑誌の監修記事を書くこともあります。見本誌のうち何冊かは出版社から直接、母のところに送ってもらいました。
母はもともと読書が好きで、とくに雑誌をよく読む人です。「新しい本が出たからチェックしてね」と伝えると、自分で本屋に買いに行って読んでくれました。
本や雑誌が、母にとって片づけのきっかけになりました。遠くに住んでいると、直接手伝うことはできません。でも、情報を届けたり、面倒な手続きを代わりにやったりすることはできます。
親が片づけに関心をもてるきっかけをつくることも、立派なサポートです。
4:母が自分ひとりでも片づけるようになった

帰省中、一緒に片づけてよかったと思うのは、母が私のいないときにも自分で片づけるようになったことです。
手紙やメールで「あれを片づけた」「これを処分した」と報告してくれるようになりました。弟の嫁も「お義母さん、すごくたくさん捨てたよね」と言っていました。
何度もものを捨てたから、母も片づけに対する抵抗が和らいだようです。
一昨年、母は長年住んでいた実家を手放して、高齢者向けのサポートつきマンションに移りました。引っ越しは弟が手伝いましたが、かなりものが減っていたので、比較的スムーズだったそうです。
もしなにも片づいていなかったら、肉体的にも精神的にもきつかったでしょう。長い時間をかけて少しずつものを減らしたことが、最後に役立ちました。
5:「片づけ」という共通の話題ができた
実家の片づけを続けてきて、母との関係が悪くなったことはありません。むしろ、片づけが共通の話題になりました。
「最近なにを片づけた?」「あの棚、どうなった?」といった会話が自然にできるようになったのです。
遠くに住んでいても、片づけという共通のテーマがあると、連絡を取りやすくなります。
私は電話やメールで母とつながりながら、少しずつ実家の片づけを続けました。
「遠方だからできない」とあきらめる必要はないと思います。小さなことでも続けていれば、いつか大きな変化につながるはずです。
