近くて遠い島 サハリン ~州都・ユジノサハリンスクに“日本”を探して【まいにちロシア語】
テキスト『まいにちロシア語』の連載「近くて遠い島 サハリンの自然と暮らし」では、ロシア極東の地・サハリン在住の木村顕悟さんが、かつて樺太と呼ばれていたサハリンを美麗な写真と文章で紹介しています。
今回は、サハリン州の州都・ユジノサハリンスクをご紹介します。
サハリン州の州都ユジノサハリンスクはかつて「豊原(とよはら)」と呼ばれ、樺太庁が置かれた北の都だった。街のそこかしこに残る当時の面影を探して歩けば、多くの日本人が行き交って繁栄した時代がしのばれる。
現在は「栄光広場」となり、1911年に創建された樺太神社の階段部分が残っている。当時神社にあった狛犬(こまいぬ)はサハリン州郷土博物館に移設されている。
1937年に開館。当時樺太庁に在籍した貝塚良雄の設計で、洋風建築に瓦屋根という斬新なデザイン。そのままサハリン州郷土博物館となっており、サハリンの歴史・自然のほか、アイヌなど先住民族の展示も豊富。
旧豊原公園
宇宙飛行士ユーリイ・ガガーリンの名前を冠したガガーリン記念文化公園。ソ連時代に設置された観覧車やジェットコースターなどのアトラクションがあり、市民の憩いの場。
旧樺太庁豊原病院
1931年に竣工。当時の先端技術を用いた鉄筋コンクリート造りの建物で、患者用のエレベーターやサンルームも設置された。現在は第441陸軍病院で、敷地内では大きな番犬が目を光らせている。
旧豊原三越百貨店
レーニン通りとサハリン通りの交差点に立つ新古典主義の建築物。現在はサハリンデパートだが、外観には三越当時の雰囲気が色濃く残っている。
旧北海道拓殖銀行豊原支店
北海道拓殖銀行の豊原支店は1907年に開設。石造りを模した鉄筋コンクリート建てで、外観は新古典主義。現存の建物は1930年に新築披露会が行われた。現在、サハリン州立美術館となっている。
旧豊原市役所
1925年に皇太子裕仁親王(後の昭和天皇)の樺太訪問に合わせて建設された。皇太子殿下の訪問を記念し、後ほど敷地内に記念碑が建立された。現在は一般の建物。
写真・文 木村顕悟きむら・けんご。2022年からロシア極東のサハリン在住。2024年に独ライカ社の写真誌LFI Magazine に作品が掲載される。また、THE LEICA MEET やStreet Level Photography など数々の写真愛好家選考会で優秀作品に選出。2024-25年にユジノサハリンスク市内で個展を開催。(Instagram: kevinkimura01)
◆『まいにちロシア語』2025年4月号「近くて遠い島 サハリンの自然と暮らし」より
◆写真・文:木村顕悟
