百年構想リーグには大会独自のレギュレーションが採用されている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

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 今夏のJリーグの秋春制移行を前に、「明治安田Jリーグ百年構想リーグ」が2月6日に幕を開ける。

 この特別大会は通常のリーグ戦とは異なり、独自のレギュレーションが採用されているのが大きな特徴だ。2月から6月にかけて開催され、「J1」と「J2・J3」の2カテゴリーに分かれて実施。いずれも東西の地域リーグとプレーオフの2ラウンド制で行なわれ、両ラウンドの成績を通じて最終順位が決定する。また、今大会の結果による昇格・降格はなく、J1百年構想リーグの優勝チームにはAFCチャンピオンズリーグエリート(ACLE)の出場権が与えられる。

 最大のポイントは、引き分けをなくし、PK戦による完全決着方式を導入している点だ。さらに、順位や獲得勝点に応じた賞金制度も設定されている。J1百年構想リーグでは優勝が1億5000万円、2位が6000万円、3位が3000万円。地域リーグラウンドでは特別助成金として勝点1あたり200万円が支払われ、90分勝利なら600万円、PK戦勝利なら400万円、PK戦で敗れても200万円を得られる仕組みだ。
 
 1試合ごとに特別助成金を設けている背景には、昇格・降格がないレギュレーションのなかで、各クラブのモチベーションとパフォーマンスレベルを維持する狙いがあるのだろう。だが、私はこの考え方にあまり賛同できない。

 スポーツにおいて、成功のインセンティブとして金銭を押し出すのは好ましくない。選手はプロであり、どのような試合であっても勝利を目ざすのが本来の姿だ。賞金を目的に選手やクラブを奮い立たせるべきではないと思う。

 また、この百年構想リーグの仕組みは、1967年から1984年にかけて開催された「NASL(北米サッカーリーグ)」を想起させる。当時のアメリカではサッカーがまだ馴染みが薄かったため、人気向上を目的としたギミックに頼ったリーグだった。引き分けを廃止し、アメリカ人好みの完全決着制を導入。さらに、35メートルの位置からドリブルで持ち込み一定時間内にシュートを打つ“シュートアウト方式”まで採用していた。

 今回PK戦を導入する狙いの1つが、より盛り上がりを期待するためなのであれば、十分に経験を積んだサッカー観戦者である日本のファンには必要ないようにも感じる。しかし現代においてある意味で斬新な試みとなるこの大会が、短期間のなかでどのような展開を見せるのかは非常に興味深い。

著者プロフィール
スティーブ・マッケンジー(Steve Mackenzie)/1968年6月7日、ロンドン生まれ。ウェストハムとサウサンプトンのユースでプレー経験がある。とりわけウェストハムへの思い入れが強く、ユース時代からのサポーター。スコットランド代表のファンでもある。大学時代はサッカーの奨学生として米国で学び、1989年のNCAA(全米大学体育協会)主催の大会で優勝した。現在はエディターとして幅広く活動。05年には『サッカーダイジェスト』の英語版を英国で出版した。

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