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プロテイン 消費は女性たちの新ステータスに 急成長ブランドDavidに…
プロテイン 消費は女性たちの新ステータスに 急成長ブランドDavidに見る美の新基準
プロテイン 消費は女性たちの新ステータスに 急成長ブランドDavidに見る美の新基準
記事のポイント スターバックスなどが参入し、プロテインがビューティー市場へ広がっている。 プロテインは栄養補給から、女性の価値観を映すライフスタイル要素になった。 健康最適化と見た目志向が重なり、食と美容の境界が曖昧になっている。
プロテインバーのブランド「デイビッド(David)」は、ジムバッグにプロテインを入れてほしいだけではない。この主要栄養素をビューティールーティンの一部にもしてほしいと考えている。「ある意味で、プロテインはビューティー商品だ」と、デイビッドの共同創業者兼CEOであるピーター・ラハル氏は語る。1月、デイビッドは定番のゴールドバーよりもタンパク質量を抑えつつ、より贅沢なフレーバーを特徴とするブロンズバーを発売した。このプロモーションにあたり、同社はジュリア・フォックスを起用し、「体の健康」だけではなく「心の満足感」を軸に据えたキャンペーンを展開した。VIDEO ジュリア・フォックスを起用したデイビッドのキャンペーン動画
フィットネスからライフスタイルへ広がるプロテインの位置づけ ラハル氏によれば、フィットネスはこれまでもビューティールーティンの一部であった。しかし、新たに登場したデイビッドのブロンズバーやプロテインバーを、グアシャ(かっさ)やリップスティックと並べて見せるインスタグラムの投稿は、プロテインをライフスタイルや美容ツールとして位置づけることをより明確に狙っているという。「体の構成は美しさと直接相関している。美しさはメイクをすることだけではない。体型も含まれる」と同氏は述べる。「だからこそ、プロテインはそれを実現するための非常に優れたツールなのだ」。プロテイン製品の猛攻 と「プロテイン・マキシング(タンパク質摂取の最大化)」の台頭により、2025年にプロテインブームは頂点に達したのではないかと疑問を抱く者もいた。しかし、2025年に評価額7億2500万ドル(約1087億5000万円)を達成したデイビッドのようなブランドは、2026年に向けてプロテインへの注力をさらに強めている。さらに、最近発売されたプロテイン製品は、もはや「ジムユーザー向けサプリメント」にとどまらず、抹茶ラテや引き締まったピラティスの腕のような、憧れのライフスタイルを構成する要素として訴求されている。女性にとってのプロテインは新たなステータスシンボル 「プロテインが持つ文化的な意味合いは、特に女性にとって変化している」と、ブランドデザインエージェンシーであるデザインブリッジ・アンド・パートナーズ(Design Bridge and Partners)のストラテジーディレクター、アリス・クラップ氏は語る。「プロテインは非常に興味深く、さりげないステータスシンボル、あるいはアイデンティティの指標になっている。自分は体を正しく動かす方法、そして今めざすべき体型を理解している人々の一員である、という示し方なのだ」。コーヒーや食料品にまで広がるプロテイン商品の日常化 1月、スターバックス(Starbucks)はキャラメル、プロテイン、抹茶といったフレーバーでプロテインメニューを拡充し、クロエ・カーダシアンが手がけるプロテインブランド、クラウド(Khloud)と協業したプロテイン入りポップコーンを店舗に導入した。競合コーヒーチェーンのコーヒービーン&ティーリーフ(The Coffee Bean&Tea Leaf)も、同様にプロテインを加えたメニューを1月発表している。ニューヨークにおけるエレウォン(Erewhon)的存在であるハピアー・グロサリー(Happier Grocery)は、2025年にバレリーナ・ファーム(Ballerina Farm)と展開したプロテインソフトクリームに続き、年初にカウボーイ・コロストラム(Cowboy Colostrum)入りのボーンブロス・ホットチョコレートを打ち出した。寒い季節向けの代替商品である。「デイビッドはプロテインのブランディングに非常に洗練された要素を加えている。そして彼らが突いているのは、プロテイン、フィットネス、体を作り込み鍛え上げる能力、ジムに行く時間を取れること、そして『プロテインポップコーンに8ドル(約1200円)を使えること自体がラグジュアリーである』という気づきだと思う。これは一種のカルチャー的な誇示でもある」と、デザインエージェンシーであるパールフィッシャー(Pearlfisher)の戦略責任者、ケイトリン・スターク氏は語る。女性を中心に拡大するプロテイン消費の実態 こうした新しいプロテイン製品の多くは、暗黙的あるいは明示的に女性向けにマーケティングされている。女性のプロテイン消費者を狙うのには、明確な理由がある。昨年9月に発表されたユーロモニター(Euromonitor)の調査によると、世界全体で見ると、現在は男性よりも女性のほうがプロテインの採用者数が多く、特に北米では15〜19歳の女子が、より多くのプロテイン摂取を望む層としてもっとも意欲的であることが示された。「女性を獲得することはより重要だ。なぜなら、タンパク質不足は男性の健康よりも女性の健康のほうで顕著だからだ。『プロテインを摂ると体が大きくなる』という誤解があるが、それは完全な誤りである」とラハル氏は述べる。プロテインブームと医療、減量トレンドの交差 ウエイトリフティングへの言及が一切ないにもかかわらず、フォックス氏が腹筋を露出したデイビッドのキャンペーンは、プロテインによって作られた引き締まった体が、女性のあいだでますますステータスシンボルになっていることを示している。プロテインブームは、GLP-1薬の使用拡大とも並行して進んでおり、女性は男性よりも高い割合でこれらを使用している。健康の専門家は、減量薬を使用する際にはタンパク質の摂取量を増やすよう米国人に勧めてきた。2026年にはノボ・ノルディスク(Novo Nordisk)などのメーカーから経口タイプの薬剤が登場することで、減量薬の使用はさらに一般的になる可能性がある。一方で、プロテイン重視の美の基準が、よい影響だけではなく、悪影響ももたらしかねないと懸念する声もある。「楽観的な自分は、このプロテインブームが女性の健康や強さ、そして自立をめぐる、より大きな文化的シフトを反映していると思っている。痩せることよりも強さを重視することで、美の基準に挑戦しているからだ」とスターク氏は語る。「しかし悲観的な自分は、これが新しいパッケージに入れ替えられただけのダイエット文化である可能性も心配している。制限を最適化として言い換え、それをエンパワーメントと呼んでいるのかもしれない。マーケターとしては、その点に注意を払う必要がある」。国の栄養指針が後押しする「タンパク質重視」への転換 今や、ジュリア・フォックスやクロエ・カーダシアンだけがプロテインを受け入れているわけではない。1月、保健福祉長官のロバート・F・ケネディ・ジュニア氏は、新たな食事ガイドラインを発表し、1日の推奨プロテイン摂取量を体重1キログラムあたり0.8グラムから、1.2〜1.6グラムへと引き上げた。また、新たな逆ピラミッド型のフードピラミッドでは、動物性タンパク質が最上位に位置づけられている。「我々はプロテイン戦争を終わらせる」と宣言したのは、トランプ政権の支援を受けたナショナル・デザイン・スタジオ(National Design Studio)が制作した、洗練された新しい栄養情報サイトであった。管理栄養士(RDN)であり、フューチャーヘルス(FuturHealth)の医療アドバイザーを務めるジェシカ・クランドール・スナイダー氏は、この新ガイドラインを、最低限のプロテイン摂取量を勧めるものから、より目標志向のアプローチへと移行する動きだと評価した。タンパク質偏重がもたらすリスクへの警鐘 クランドール・スナイダー氏によれば、タンパク質は不可欠ではあるものの、タンパク質に過度に注目しすぎると、食物繊維などほかの栄養素を取り逃がす可能性があるという。特に、食事制限に陥りやすい女性にとっては、そのリスクが高まる。「女性は残念ながら、常により細く、より痩せることをめざしてきた。その歴史があるため、十分な栄養を摂取できていない可能性がある、という視点が見えてくる」と同氏は語る。それでも、栄養素としてのタンパク質が過剰に注目される時代の終焉が語られるなかで、プロテインはウェルネス分野において特に強い定着力をみせている。消費者が食べるものに対して栄養であるだけでなく、美をもたらす商品であることを期待するようになっているためだ。「今の期待は、『水ですら肌を整えてくれて、その結果とても美しく見せてくれる』というものだ」と、ブランディングエージェンシーであるシービーエックス(CBX)のアソシエイト・ストラテジー・ディレクター、イザベル・アレクサンダー氏は語る。「プロテインは長寿や、美といった意味合いを持つようになる。だからこそ、これほど強くウェルネス領域に結びついているのだと思う」。食と美容の境界が溶けていく先にあるもの ラハル氏は、2027年に向けて、よりビューティーに隣接した商品をデイビッドが投入する可能性もあると述べた。健康と見た目の両方を最適化するよう消費者にかかる圧力が高まるなかで、食品売り場に属するものと、ビューティー売り場に属するものとの境界線は、ますます曖昧になっている。「人々は、自分がよい体型で、痩せていたいと望んでいることを、隠さずに認めはじめている」とラハル氏は語る。「誰もが常にソーシャルメディアに触れ、自分自身のプラットフォームを築いている。だからこそ、見た目に対する巨大なプレッシャーが存在する。そして、見た目でもっとも重要なのは栄養や睡眠といった要素だ。もはや、整形手術だけでどうにかできるものではない」。[原文:The new wave of protein is for the girls]Emily Jensen(翻訳、編集:藏西隆介)