大賀崇浩・オーガホールディングス代表取締役

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当社は、大賀薬局などグループ8社の持ち株会社として今年10月に設立しました。曾祖父が1902年に創業し、福岡市など九州で調剤薬局やドラッグストア121店舗を展開する大賀薬局を中心に、人・動物・環境を守る総合ヘルス企業を目指しています。

 私は、東京の大学を卒業後、商社勤務を経て2009年に大賀薬局に入社。現場を経験後、16年に副社長、17年に父の後を継いで5代目社長に就任しました。入社当時から巨大資本の全国チェーンに押され、現状維持を続けていては成り立たなくなる経営状況で、会社を救うための起爆剤を模索する日々でした。

 そこで思い出したのが、子供のころ本気で自分がなりたいと憧れたヒーロー。薬剤師のヒーローをつくり、自分が変身して会社をPRするヒーローマーケティング戦略です。密かにリサーチを行い、費用、展開などを練り、時を待ちました。社長就任後、取締役会のプレゼンでは多くの反対が出ましたが、「ヒーローになって会社を変える」という熱い思いで理解と承諾を得ました。そして19年、「薬剤戦師 オーガマン」が誕生したのです。

 オーガマンには、年間約1000億円以上の医療用医薬品が未使用で廃棄される残薬問題の解決と、未来世代への正しい健康知識の継承という使命があり、決めゼリフは「薬飲んで、寝ろ」です。プロモーションビデオや公式サイトなどSNSをきっかけにメディアでも注目され、顧客も増加、各地でのヒーローイベントも盛り上がるように。子供向けの「やくいく(薬育)プロジェクト」をはじめ地域貢献活動にも力を入れ、地場企業や行政が一体となって地域を活性化する「地域一体企業」の中心的存在でありたいと考えています。一方、未来をつくる子供たちのためになるか、子供たちに誇れるかということが経営の判断軸になっています。

 実は今年5月、私の誕生日に中学1年の娘から「いろいろな人に反対されながらも自分の思いを貫いているお父さんを尊敬しています」という手紙をもらい、一番のモチベーションになっています。また、社員がお子さんから「お父さん、オーガマンと働いているの? すごい」と言われたという話も聞いて、事業家としてうれしかった。

 大賀薬局の24年9月期の売り上げは18年9月期の1.4倍に。保守的だった社内も社員が自ら挑戦する風土に進化し、採用面でも、「大賀薬局はおもしろそう」「オーガマンと働きたい」「社会貢献がしたい」と志望者の層が拡大。オーガマンは「挑戦する勇気」を与える存在として、会社の原動力になっています。


看板のオーガマンとポーズをとる大賀社長。自ら”変身”してヒーローイベントにも登場する