クマには寄生虫が住んでいる? おしりに見える“白いひも”の秘密とは【眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話】
おしりから出ている白いひも それ、寄生虫です
ヒグマの体に潜む食物連鎖の跡
ときにヒグマのおしりから、白くてひも状のものがぶら下がっています。この「白いひも」の正体、実は寄生虫の一種である条虫(サナダムシ)の体の一部であることが多いのです。
条虫はヒグマの腸内にすみつき、体のなかで成長すると、「片節(へんせつ)」と呼ばれるパーツがちぎれ、便と一緒に外に出されます。その一部が肛門に引っかかり、まるで白いひもがぶら下がっているように見えるわけです。長いものだと数m以上になることもあり、その姿に驚かされる人も少なくありません。
では、この寄生虫はどこからヒグマの体に入ってくるのでしょうか?
主なルートのひとつが、秋に食べるサケです。川を遡上してきたサケの体内には、条虫の幼虫が潜んでいることがあり、ヒグマがそれを丸ごと食べてしまうことで、腸のなかで条虫が育つというしくみです。
「ヒグマは苦しくないの?」と思うかもしれません。実は、ヒグマのような野生動物は、ある程度の寄生虫に対して強い耐性を持っており、条虫がいたとしても行動や健康に大きな影響は出にくいとされています。そもそも条虫は、栄養を横取りしながら生きるものの、宿主に大ダメージを与えると自分も困るため、共倒れしないレベルで寄生する生き物なのです。
ヒグマの条虫の感染ルート
サケの体内には、条虫の幼虫が潜んでいることがあり、ヒグマがそれを丸ごと食べてしまうことで、腸のなかで成虫へと育ちます。これは自然の恵みを得た”あと”に起こる、食物連鎖という自然な現象なのです。
汚れではなく、寄生虫
条虫の一部がヒグマの肛門に引っかかり、まるで白いひもがぶら下がっているように見えます。数m以上の長さに驚くかもしれませんが、これは毎年のように観察されています。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 クマの話』監修:山粼晃司

