TRY大賞は北浦和『らーめん かねかつ』に決定 TRYラーメン大賞で初の偉業、「名店部門つけ麺 清湯」で殿堂入りも同時に達成!

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日本のラーメンシーンで最も権威ある賞として親しまれている「TRYラーメン大賞」(通称「TRY(トライ)」)2025-2026年の受賞店が決まった。栄えある「TRY大賞」は『らーめん かねかつ』(埼玉・北浦和)。同店は、「名店部門つけ麺 清湯(ちんたん)」では5年連続1位になったことから殿堂入りも果たした。受賞店などを網羅したムック『第26回 業界最高権威 TRYラーメン大賞2025-2026』(講談社ビーシー/講談社)は10月21日に発売。「TRY新店大賞」は『麺や 晴心』(東京・落合)が受賞し、「名店部門鶏白湯(とりぱいたん)」で1位だった『らーめん MAIKAGURA』(東京・千歳船橋)も今回で5連覇を達成したため殿堂入りした。

「TRY大賞」は4年連続、「名店部門」は5年連続で殿堂入り

2000年6月に「東京で一番旨いラーメンを決めようじゃないか」と産声をあげた「TRYラーメン大賞」。TRYは「Tokyo Ramen of the Year」の略称に由来する。2024年に25周年を迎え、いまや最も権威のあるラーメンアワードとして注目を浴びる存在になった。審査の対象は東京、神奈川、千葉、埼玉の一都三県にあるラーメン店。ラーメンに造詣の深い審査員たちが、1年かけてラーメン店を食べ歩いて「新店部門」と「名店部門」を選考、厳正なる審査がおこなわれている。

毎年、一生に一度しか獲れない「TRY新店大賞」と、首都圏ラーメン店のトップを意味する「TRY大賞」を選出。「TRY大賞」は一都三県の既存店に贈られる最高の賞で、味やラーメンのクオリティはもちろん、ホスピタリティや活躍度、ラーメン業界への貢献度も含めて総合的に評価される。

「TRY大賞」は、4連覇を達成すると殿堂入り。これまで、千葉・松戸の『中華蕎麦 とみ田』」や神奈川・湯河原の『飯田商店』、東京・三ノ輪の『ラーメン屋 トイ・ボックス』など日本を代表する名店が偉業を果たした。

「名店部門」には、「しょう油」「しお」「みそ」「とんこつ」「MIX」「にぼし」「鶏白湯」「つけ麺 清湯」「つけ麺 濃厚」「汁なし」の10ジャンルがあり、毎年名だたる行列店がしのぎを削っている。各ジャンルで5年連続1位を達成すると、各ジャンルごどに殿堂入り。ランキングから晴れて卒業となる。千葉・成田の鶏白湯の雄『麺や 福一』や、札幌純すみ系の関東初の暖簾分け店『大島』、創作ラーメンのレジェンド店『ajito ism』(現在は閉店)、魚介豚骨の大行列店『自家製中華そば としおか』と、各ジャンルの王者たちが偉業を達成してきた。

そして2025-2026年版のTRYでは、『らーめん かねかつ』が「TRY大賞」に輝くと同時に、「名店部門」の殿堂入りも達成。TRYの26年の歴史の中で、初の偉業となった。

初の偉業を果たした『らーめん かねかつ』の「あぶらそば」(1300円)

名店部門の「つけ麺 清湯」で5連覇、「汁なし」で4連覇

同店の受賞歴はとても華やか。初登場は2020年、名店部門の「つけ麺 清湯」と「汁なし」で、いずれも2位をマークした。その翌年には、名店部門の「つけ麺」で首位を獲得。2022年には「つけ麺 清湯」に加えて「汁なし」でも1位となり、TRY総合5位で初登場。2023年、2024年も引き続きW1位をキープし、TRY総合も4位にランクアップした。

さらに、名店ひしめく「しょう油」で初受賞を果たす。そして2025年、「つけ麺 清湯」で5連覇&「汁なし」で4連覇を達成。TRY大賞に選出され、殿堂入りとともに有終の美を飾った。

店主の大友勝さんは10代の頃、音楽活動のかたわら、居酒屋やラーメン店で腕を磨いた。その後、麺を究めるために製麺所に勤務。2013年に埼玉県川口市で『らーめん かねかつ』を開業し、2022年に現在の場所に移転した。以来、夫婦二人三脚で店を切り盛りしている。

ラーメンを作る店主の大友さん

「オープン前から獲れたらいいなと思っていた」「いつも支えてくれている女将のおかげ」

『らーめん かねかつ』の店舗で行われた授賞式には、TRY審査員の田中一明さん、名店審査員のレイラさん、同じく名店審査員のかずまさんが出席。TRY大賞のトロフィーが田中さんから大友さんに、殿堂入りのトロフィーがかずまさんから女将さんに、それぞれ手渡された。

名店審査員のかずまさんから、女将さんに殿堂入りのトロフィーが手渡された

店主の大友さんは「TRY大賞はオープンする前から、『獲れたらいいな』と思っていた賞なんです。オープンした当時は新店部門で載ることもできずに、とても悔しい思いをしたので、今回の受賞はとてもうれしいです。獲れたのはボクひとりの力じゃなくて、いつも支えてくれている女将のおかげだと思います。とても感謝しているので、この場を借りてお礼言いたいです。ありがとうございます!」と、待ちに待った受賞に満面の笑み。

店主の大友さんと女将さん

田中さん「日本のラーメン界の発展を牽引してほしい」

田中さんは、「どうもおめでとうございます。私にとって『かねかつ』さんは、同じ埼玉に家があることから、川口時代から通わせてもらっていて、子どもがまだ小さいときには一緒にお邪魔したりして。そんな、私にとって身近なお店なので、とても感慨深いです。足を運ぶたびにどんどんどんどんクオリティがアップし、名店部門の1位に登場して、そこからさらに磨きをかけていまにいたるわけです。このお店のすばらしいところは、らーめん、つけそば、あぶらそばのレギュラーメニュー3種類すべてが渾身の一杯であること。しかも、しお、しおつけめんといった新メニューも登場したばかりという、伸びしろがまだまだある状態での受賞となりました。これからも日本のラーメン界の発展を牽引し、日本全国のラーメンの作り手が模範とするような店になっていってほしいです」と、個人の体験談を交えながら語り、大友さんのラーメンを高く評価した。

店主の大友さんとTRY審査員の田中一明さん

レイラさんは「川口からこちらに移転されて、グンとレベルがアップされました。味はもちろんのこと、ホスピタリティも素晴らしいと思います。これからも最高においしいラーメンを作り続けてほしいです。このたびは本当におめでとうございました」と、さらなる飛躍を期待。

(左から)『らーめん かねかつ』の女将さん、レイラさん、かずまさん

かずまさんは「つけ麺部門で5連覇、油そばで4連覇ということで。スープや具もすばらしいのですが、武器として抜きん出ているのはやはり麺。汁なし部門でも、来年殿堂入りしたんじゃないかと思っています。大賞部門の受賞ですが、川口時代のお店も好きだったんですが、みなさまにおすすめするとなると、やはり移転後のほうなのかなと。この温かい雰囲気、よりいいお店になったなと思います。これからも夫婦二人三脚で、すばらしいお店を作っていただきたい」と、エールを送った。

殿堂入りの「つけめん」に4連覇の「まぜそば」、圧倒的な食体験!

殿堂入りを果たした同店の「つけめん」(1300円)は、大友さんが毎朝打つフレッシュな自家製麺を、思う存分堪能できる秀作だ。ホロホロ鳥とイベリコ豚の旨みをたたえたつけ汁は、醤油か塩が選べるのもポイント。醤油は福島県産のキレのある天然醸造醤油が、麺によく絡む。ハマグリとアサリが効いた塩は、途中でネギやワサビを入れて味変するのがおすすめ。のど越しと弾力が最高のみずみずしい麺は食べやすい長さに調整されており、200gのボリュームがあっという間に消えてしまう。

「つけめん(しお)」(1300円)

「つけめん(しお)」(1300円)

4連覇を達成した「まぜそば」(1300円)もまた、圧巻のクオリティ。トリュフオイルが香る卵黄ソースと旨みたっぷりの醤油ダレが店主渾身の自家製麺に絡み、圧倒的な食体験を提供してくれる。

田中さん「あぶらそばを食べることが最高の瞬間のひとつ」

式典後、実際にラーメンを食べた審査員たちからも、絶賛の声が上がった。

式典後に実食する審査員たち

【かずまさん、つけめん(しお)実食コメント】

かみしめるたびに食感と風味がすばらしいとあらためて思います。つけるとまた表情がかわる。塩はさらにせめていて、個人的にかなりストライクです。

【田中さん、あぶらそば実食コメント】

いやあこれはもう、あぶらそば 審査でここ数年ずっと1位をつけさせていただいてるんですが、このあぶらそばを殿堂入りとして実食できることが、ラーメン食べ歩き歴35年のなかでも、最高の瞬間のひとつでといえます。鼻孔の近くで、丼から立ち上る香りが鮮やかな稜線をつくる。鼻が早く食え、早く食えといっていますので、いただきます!

『かねかつ』といえば、真骨頂の麺ですね。これは汁なしの模範というか、「汁なしとはこういうもんだよ」と世界に知らしめるエポックメイキングな一杯です。まぜそばは15回から20回まぜろというんですが、福島県産しょうゆの香りが立ち上ります。これはもう食べる前から、味覚だけじゃなく嗅覚、触覚で食べ、美しさなど視覚でも食べるまさに五感でいただける一杯です。うまい、これはやっぱね、殿堂入りするなっという一杯ですよ。ホロホロ鳥、イベリコ豚のエキスがぎゅっと凝縮されて、しょうゆの甘辛と脂の香りが抜ける。この味わいはかねかつならではですね。

これがヒミツ兵器の「卵黄トリュフ」でございますが、これは初期のころはなかったんです。卵黄ソースはこのメニューをNo.1にした立役者のひとつだと思っています。

夫婦の温かみが感じられる接客

スタイリッシュな空間、夫婦の温かみが感じられる接客、店主の趣味が活かされたエッジの効いたBGMと、ラーメンを味わう環境も最高。新たなTRY大賞&殿堂入り店の実力を、ぜひ確かめにいってほしい。

『らーめん かねかつ』

店名:『らーめん かねかつ』

住所:埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-1-6

電話:非公開

営業時間:6時〜7時半LO、10時〜15時(材料なくなり次第終了)

定休日:日、祝

席数:カウンター8席

交通:JR京浜東北線北浦和駅東口より徒歩2分

駐車場:なし

予約:不可

支払い:現金のみ

「第26回TRYラーメン大賞」は好評発売中

最新刊『第26回 業界最高権威 TRYラーメン大賞2025-2026』、『TRYラーメン大賞全国版〜注目の新店19軒&初登場の実力店52軒〜』(いずれも講談社ビーシー/講談社)が大好評発売中。

文/萩原はるな、写真/近藤誠

【画像】これがTRY大賞受賞店の絶品「あぶらそば」と「つけめん(塩)」(11枚)