THE ALFEE、ファンと夢を分かち合った夏 『Circle of The Rainbow』炎天下に負けない熱演を振り返る
デビュー51年目の7月30日にリリースされた74枚目のシングル『HEART OF RAINDOW』が59作連続TOP10にランクインし、「シングル連続TOP10入り獲得作品数」で歴代男性アーティスト単独1位に立った高見沢俊彦(Vo/Gt)、坂崎幸之助(Vo/Gt/Per)、桜井 賢(Vo/Ba)によるロックバンド、THE ALFEE。そんな彼らの恒例の夏のイベント『THE ALFEE Summer Celebration 2025 Circle of The Rainbow』が2025年8月2日、3日の2日間、横浜アリーナで開催された。猛暑、台風、大雨と変わっていく天気予報の中で、結局は35度近い暑さの中で迎えた8月2日、初日のコンサートをレポートする。
(関連:【画像あり】デビュー51年目の夏を迎えたTHE ALFEEのメンバーたち)
■51年目の新たな世界へと誘うTHE ALFEE
タイトルに“Circle”と入っていることから円形ステージかも? という予測もあり、座席配置予想も盛り上がっていた今回の公演。会場に入ると縦長に配置された会場には前方のメインのステージ、花道なしのセンタースペース、後方にもステージが見える。これで今回は2023年に同会場で行われた夏イベ同様、「ムービングステージ」だとわかる。THE ALFEEのトリビュートアルバム『50年祭』が流れる中、後方ステージの準備が始まったようで観客が後方に注目し始める。曲が突然終わって客殿が下り、SEが流れると客席からは大歓声が上がる。メインステージにはレインボーカラーの照明でできた輪が浮かび上がり、後方のステージの両端には飛行機の翼が現れる。そこへ3人が登場すると、会場は興奮の歓声で包まれる。3人を乗せた“THE ALFEE号”がゆっくりと前進、照明で形作られた「THE ALFEE」の文字が浮かぶメインステージに着陸する。
煙が上がる中、3人が楽器を手にして始まったのは、2010年リリースの23枚目のアルバム『新世界 -Neo Universe-』のオープニングナンバー「Neo Universe PART Ⅰ」。彼らの真骨頂である3声のコーラスを見せつけながら51年目の新たな世界へと誘った後、間髪入れずにドラムのイントロが鳴り響き、ライブ定番曲「AFFCTION」へ。曲に合わせてカラフルに変わる照明、飛んだり回転したりと激しく動き回る高見沢。これもまた彼らの真骨頂であるスイッチボーカルのナンバーで会場を温めた後は、最新シングル収録曲「丁寧言葉Death!」を使って、「始まりましたよ、デビュー51年目の夏、久々の横浜アリーナDeath!」と坂崎があいさつ。色とりどりのマラカスライトが客席から輝く中「Rock 憂」のイントロが始まると、メインボーカルを取る桜井ひとりがムービングステージに移動し、センターへと移動する。坂崎はパーカッションも担当、高見沢と共に桜井の美声をコーラスで支える。
曲終了と共に桜井がメインステージに戻ると、移動ステージ担当を坂崎にバトンタッチ。「Juliet」のイントロが流れると、観客からは歓声が上がる。メインボーカルの坂崎が前方へ、高見沢が上手、桜井が下手に分かれて盛り上げ、会場の一体感を高める。シンフォニックなキーボードのオープニングが始まると、次は高見沢が移動ステージに上がる番。「A.D.1999」のサビを高見沢がスローテンポで歌い始めると、大歓声が上がる。一段とキーが高く、スピーディーになったように感じる熱いナンバーを、移動ステージを所狭しと動き回りギターを弾きまくり歌う高見沢。上手には桜井、下手には坂崎が移動している。曲終盤では客席は大合唱になり、「これが夏イベだ!」と胸が熱くなる。
曲の終了と共に高見沢が一旦メインステージに戻り、拍手と歓声の中、再び3人が移動ステージに上がりセンターへ。坂崎が「座席も料金の一部なので」と客席に着席を促し、しばしMCタイムに。「またお前が座るんかい!」と桜井が用意された椅子に座ってくつろぐお決まりのネタ、「生まれて初めてTHE ALFEEを観る人」の客席アンケート、THE ALFEE初期の名曲「ラブレター」のメロディで即興の「思い出の秩父」ソングを披露など、坂崎曰く「愉快なTHE ALFEEトーク」。その後は、海や川の話題へ。波の音が聞こえてくると、桜井が「実際やったことはない」というサーフィンをエアでパフォーマンス。続いて久々の夏の歌として、THE ALFEEの別名義グループBE∀T BOYSの「やさしい黄昏」が、坂崎のカウントによって3声のコーラスから始まる。優しく穏やかな夏の歌の後は、桜井営業部長が「推しの存在は“生きる糧”です」と「THE ALFEE推しのみなさん」にお菓子の「生きる糧のタネ」などのグッズ紹介。
再び3人に楽器が渡され、久々の披露となる2005年のシングル「100億のLove Story」。光が降り注ぐような照明の中で高見沢が優しく歌い上げるロマンティックなナンバーが終わる頃、ひと足早く坂崎がアコースティックギターを替えて準備。アコギと3声のコーラスが美しい「OVER DRIVE」から「夢よ急げ」とつながる、“夏イベといえばコレ”と思わせるメドレーへ。ステージがセンターから後方へ移動すると、待ってましたとばかりにステージ後方からは歓声が降り注ぐ。
演奏をしながらメインステージに戻り、高見沢を残してメンバーがステージを一旦去る。高見沢のMCでは「夢よ急げ」が1982年の所沢航空記念公園で行われた初の野外夏イベのために作られた曲であったことなどに触れ、休みなく活動し続けているからこそこの曲が現役の曲として今も生き続けていることに胸を張る。坂崎、桜井がステージに戻りしばしトーク。発売前からラジオなどで「演奏することを公言してきたからやるしかない」と、プレッシャーの中での新曲「HEART OF RAINBOW」の演奏へ。再び虹の輪の照明が降りてきて、客席が見守る中、初めて披露される。未来を感じさせるファンタジックなメロディーとロマンティックな歌詞に客席が酔いしれる。星が瞬くような照明に変わり、SEから高見沢のエレキギターが「Jupitar」を熱く奏で、そのまま代表曲「星空のディスタンス」へ。客席からは力強い拳が上がる。キーボード音が響き、煙が高く上がって坂崎がパーカッションを担当、高見沢がボーカルを取るヘビィなナンバー「悲劇受胎」、続いて鐘の音が鳴り響き、本編ラストのプログレッシブなナンバー「GATE OF HEAVEN」へ。アコギパートあり、マーチのリズムありのさまざまな展開に合わせて変わり、途中では流れ星も見られる美しい照明の演出、ステージ高く上がる炎の連打で、会場自体がここにきてさらに熱くなる。壮大なナンバーが終わり、3人がそろって客席にあいさつし本編が終了する。
■高見沢「長くやることが僕らのひとつの夢だったのかな」
アンコールを待つ客席にカラフルなカラカスライトが次々に点滅する。そしてすっかりおなじみとなった「またさきのテーマ」と共に登場したのは、またさきトリオかと思いきや、赤と黒の中華風の衣装をまとった、チャイナタウンからやって来た、またさきトリオの遠い親戚という「わん(桜井)・たん(高見沢)・めん(坂崎)トリオ」。「横浜にちなんだ歌しか歌わない」とのことで、いしだあゆみの「ブルー・ライト・ヨコハマ」を3人のスイッチボーカルで、ダウン・タウン・ブギウギ・バンドの「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」を坂崎ボーカルで、青江美奈の「伊勢崎町ブルース」のオープニング部分を桜井が歌って盛り上がったところに、わんさんが「まさるになあれ」と特別な魔法をかけられてハットとマフラーを装着、坂崎がベースを持ち、高見沢がギターを持って、桜井の美声が堪能できる「お前が歌うんかい!! 桜井賢ショー」へ。沢田研二の「勝手にしやがれ」から、横浜での「TOKIO」を艶やかに歌い、「バイバイ」とステージを去っていく。
照明が黒と赤のゴシックな世界へと変わり、シンフォニックなキーボードと重低音とグロウルが響く。メインステージには照明で「DEATH」の文字が浮かび上がり、遂に披露されたのが、坂崎がハンドマイクで歌う新曲の「丁寧言葉Death!」。THE ALFEE流のデスメタルがズシリと響く。ドラムが鳴り響いて「鋼鉄の巨人」へと、そのままメタルの世界へ。炎がふんだんに上がり、イントロ終わりで爆発音が鳴り響き、高見沢は新しいゴジラギターで盛り上げる。サポートメンバーの吉田太郎(Dr)、ただすけ(Key)を紹介し「We are THE ALFEE!」と叫んだ後は、「今年第26回目のみんな大好き『SWEAT & TEARS』」。イントロ終わりと共に銀テープが放たれ、高見沢は移動ステージでセンターへ、坂崎が上手へ、桜井が下手へ。メインステージに集まって炎をバックにそろってギターと頭を振り熱い曲を盛り上げる。曲が終わって5人並んで頭を下げ、アンコールが終了する。
程なくして客電がつき、2度目のアンコールへ。すぐさま高見沢と坂崎の2声のボーカルで始まる「不良少年」へ。そこでしばし高見沢がMC。「いつまでもこの場所で俺たちが歌い続ける決意がメッセージとしてみんなの心に届くように、心を込めて」と、厳かなキーボードのイントロが響く中、高見沢がギターを持たずに移動ステージに上がり、移動しながらスタンドマイクを傾け熱く語りかけるように歌う「終わりなきメッセージ」に。客席には羽の形をしたカードがふわふわと宙を舞い、高見沢がメインステージに戻り、「You can change your mind!」 と叫び曲が終了する。
この曲のインストゥルメンタルが流れる中、再び3人が移動ステージに上がり、固く肩を組み3方向に頭を下げる。ステージは後方までゆっくりと移動し、3人は客席の全方向に手を振る。メインステージは照明で「THE ALFEE」の文字が、客席からはインストに合わせてどこからともなく歌声が湧き上がり、やがてそれが合唱となっていく。美しい歌声が会場を包み込む中、手を高く掲げ3人がステージを後にし、みんなが大好きな夏イベが終了した。
近年増え続けている新規のファン、人生の状況が落ち着いて再び戻ってきたファン、そしてTHE ALFEEと同じく、休むことなく応援し続けてきたファン。たくさんの“THE ALFEE推し”と共に祝った、51周年の夏が終わった。
途中MCで高見沢は夢について触れ、「長くやることが僕らのひとつの夢だったのかな」と語っていた。恒例の秋冬の全国ツアー『Autumn Celebration 2025 HEART OF RAINBOW」「Winter Celebration 2025 HEART OF RAINBOW』が発表され、2025年中にはニューアルバムのリリースも予定。その間には数々のイベントもあり、この後も通常通りの忙しい日々をおくることが決まっているTHE ALFEE。長く活動を続けることがTHE ALFEEの願いならば、1日でも長くTHE ALFEEを“推す”ことがファンの願いだ。双方の“夢”のためにも、改めて3人には健康に留意して、いつまでも元気でいて欲しいと思う。
(文=山西裕美)

