W杯出場決定のサッカー日本代表、サウジア ラビアとスコアレスドローで手にした収穫【サッカー W杯最終予選】

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<2025年3月25日(火)2026年W杯 アジア最終予選 C組 日本 - サウジアラビア @埼玉スタジアム2002>

サッカーW杯8大会連続出場の森保ジャパン「現実的な目標として世界一」と監督が明言

サッカー日本代表が3月25日、埼玉スタジアムで行われたワールドカップ(W杯)アジア最終予選第8戦でサウジアラビア代表と0-0で引き分けた。

8大会連続8度目の本大会出場を決めたバーレーン代表に続く白星とはならず、連続得点試合記録も28で止まったが、この勝ち点1で日本は予選C組1位突破が決定。

本大会へ向けたチーム作りへ、DF高井幸大(川崎)ら戦力や戦い方のオプションなど 収穫のある一戦となった。


写真:AP/アフロ

20日に行われたバーレーン戦に2-0で勝利し、最終予選C組2位以内を確定させて来年のW杯北中米大会出場を決めた日本。

本大会への再スタートとなったサウジアラビア戦で先発メンバー6人を入れ替え、新たな起用や組み合わせをチェックした。

所属のセルティックで今季28得点と大活躍のFW前田大然やパリオリンピックでも活躍したDF高井幸大(川崎)をはじめ、MF中村敬斗(スタッド・ランス)、DF菅原由勢(サウサンプトン)、バーレーン戦で途中出場したMF鎌田大地(クリスタル・パレス)とMF田中碧(リーズ)が先発の機会を得た。

これまで出場時間が少なかった顔ぶれも多いがそれぞれ持ち味を披露。

チームの連係もスムーズに、W杯出場が決まった後の一戦ながら懸念された気の緩みも感じられず攻守にアグレッシブなプレーで試合の主導権を握った。


前田大然(c)SANKEI

代表では前田の先発は昨年3月21日のアジア2次予選の北朝鮮代表戦以来で、前半9分に田中のスルーパスに反応したシュートでポストを叩き、同19分には持ち前の前線からのハードプレスで相手DFからボールを奪ってシュートに持ち込む。

その後も中村や鎌田のクロスにペナルティエリアに走り込むなど、精力的に動いて得点機に絡む働きを見せた。


高井幸大(c)SANKEI

高井は昨年9月の中国戦での代表デビュー以来の代表戦2戦目で初先発だったが、臆することなく攻守に冷静なプレーを披露。

サウジアラビアFWサレム・アルドゥサリらを3バックの右でケアし、相手カウンターの芽を摘む守備を見せ、前田のポスト直撃シュートにつながった鋭い縦パスを田中に入れて攻撃の起点にもなった。

試合後森保一監督は「高井のポテンシャルとJリーグのポテンシャルを感じた」と評価。

さらに「攻守ともにコントロールした試合の流れを作る大きな貢献をしてくれた。伸びしろのある選手」と20歳のDFへの期待を示している


伊東純也 写真:ロイター/アフロ

サウジの守備固めに苦戦

一方、この試合で日本にとって意外だったのはサウジアラビアの戦い方だった。

昨年11月から代表に復帰して指揮を執るエルベ・ルナール監督の下ではこれまで4バックを基本とした戦いをしてきたが、今回は日本に対して5バックを採用。

プレーオフ経由となる3位4位での通過を回避して2位での無条件突破を目指し、前節の中国戦の勝利で2位のオーストラリアに勝ち点1差で迫る3位のサウジアラビアは、守備を固めて失点を避けることで、勝ち点を積み上げる現実的な手法をとった。

前半は日本の守備ラインの裏へロングボールを入れてFWマルワン・アルサハフィが裏抜けを図り、左クロスにファーサイドに走り込んだDFムハンナド・アルシャンキティが頭で狙って、この試合チーム唯一のシュートも放った。

だが後半は、右サイドバックを交代して中村のサイド攻撃を封じると、日本に最終ライン裏のスペースを使わせないように深くシフトし、ゴール前に人数をかけて日本の攻撃を封じる作戦に出た。

日本は前半、きわどいミドルシュートも披露したMF久保建英(レアル・ソシエダ)を中心に、中村の左サイドの突破や菅原の右サイドでの久保との連係での仕掛けなどで相手のペナルティエリアに入る攻撃も展開したが、後半になるとボールを保持しながらなかなか大きな決定機を作れず。

それでもCKからMF遠藤航(リバプール)や高井がヘディングで狙い、途中出場したMF伊東純也(スタッド・ランス)とMF南野拓実(モナコ)が相手DFの裏を取った浮き球に合わせてゴールを狙う場面も作ったが、伊東のシュートは相手に阻まれ、遠藤、高井、南野のシュートは枠を捉えることができなかった。

求められる攻撃の工夫と質

試合後に前田は「前半チャンスがあったので、自分が決めていれば大差で勝てた試合だった」と悔しがり、遠藤も「攻撃の最後のボックスでの崩しに課題が出た」と振り返った。

2戦連続で攻守に存在感を示した久保は、相手を押し込んでいただけに「引き分けて残念。前半30分ぐらいからワンサイドになった時にもう少し工夫が欲しかった」と指摘しつつ、「最後のところで決めきることがないと、難しい展開の試合では足元を救われかねない」と話した。

伊東は、「メンバーが何人か入れ替わってもサイドからいい攻撃の場面が何回かあったが、自分を含めて精度が良くなかった」と振り返った。

また、サウジアラビアのベタ引きでの守備固めには「こんなに引いてきたのはちょっとビックリ」と驚いた様子。

それを踏まえ、「もともとレベルが高いチームが割り切ってブロックを敷いて守ってきた時に、しっかり崩せるようにしないとならない 1本の質で決まる」と話し、クオリティアップが必要とした。


森保監督(c)SANKEI

森保監督は スコアレスドローに残念な表情を見せたが、相手に得点を許さなかったことについては「崩れずに無失点で試合を終えたことはポジティブ」と前向きに受け止めた。

だが、今回のように本大会でも守りを固めた相手に日本が勝ち点を落とすケースは十分あり得る。

実際、2022年カタールW杯でのグループステージ第2戦で日本は堅守速攻で臨んだものの、コスタリカに得点を奪えずに苦戦し、カウンターから失点を喫して0-1で敗れた苦い経験も。

森保監督は、「監督として次の手を打てるように力をつけていかなければならないし、チームとして勝ち切るオプションを持つことが課題として出た」と述べながら、「さまざまな戦いを想定して戦い方や戦術の幅を増やしたい」と話した。

一方で、突破決定後の気の緩みとは無縁のプレーぶりに指揮官は、「大きな目標を持っているところを見せてくれて 今後につながる」と話し、W杯での優勝を目標に掲げるチームが見せた姿勢に 選手たちの本気の思いを感じさせてもらった」と喜んだ。

最終予選は残り2試合。日本は6月5日にアウェイでオーストラリア代表と、10日に大阪吹田でインドネシア代表と対戦する。

2026年W杯は6月11日に開幕。カナダ、アメリカ、メキシコで開催される。

取材・文:木ノ原句望


<日本代表 招集メンバー>
【GK】
大迫敬介(サンフレッチェ広島)
谷晃生(FC町田ゼルビア)
鈴木彩艶(パルマ・カルチョ/イタリア)

【DF】
長友佑都(FC東京)
板倉滉(ボルシア・メンヘングラートバッハ/ドイツ)
伊藤洋輝(バイエルン・ミュンヘン/ドイツ)
瀬古歩夢(グラスホッパーCZ/スイス)
菅原由勢(サウサンプトンFC/イングランド)
関根大輝(スタッド・ランス/フランス)
高井幸大(川崎フロンターレ)
中山雄太(FC町田ゼルビア)

【MF/FW】
遠藤航(リバプールFC/イングランド)
伊東純也(スタッド・ランス/フランス)
南野拓実(ASモナコ/フランス)
古橋亨梧(スタッド・レンヌ/フランス)
守田英正(スポルティングCP/ポルトガル)
鎌田大地(クリスタル・パレス/イングランド)
三笘薫(ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC/イングランド)
前田大然(セルティック/スコットランド)
旗手怜央(セルティック/スコットランド)
堂安律(SCフライブルク/ドイツ)
上田綺世(フェイエノールト/オランダ)
田中碧(リーズ・ユナイテッド/イングランド)
中村敬斗(スタッド・ランス/フランス)
久保建英(レアル・ソシエダ/スペイン)
藤田譲瑠チマ(シントトロイデンVV/ベルギー)
町野修斗(ホルシュタイン・キール/ドイツ)


<日本代表 W杯最終予選 試合日程>
2024年9月5日(木)
第1節:日本 7-0 中国

2024年9月10日(火)
第2節:バーレーン 0-5 日本

2024年10月10日(木)
第3節:サウジアラビア 0-2 日本

2024年10月15日(火)
第4節:日本 1-1 オーストラリア

2024年11月15日(金)
第5節:インドネシア 0-4 日本

2024年11月19日(火)
第6節:中国 1-3 日本

2025年3月20日(木)
第7節:日本 2-0 バーレーン

2025年3月25日(火)
第8節:日本 0-0 サウジアラビア

2025年6月5日(木)
第9節:オーストラリア - 日本

2025年6月10日(火)
第10節:日本 - インドネシア