ボブ・ディランのアーキタイプを通じて描かれる現代アメリカ社会のおとぎ話:『名もなき者』池田純一レビュー
突然フォークシーンに登場し、瞬く間に人気を博し、ロックへと転じていった濃密なるボブ・ディランの4年間を描いた本作は、バイオピック=伝記映画の様相を呈しながらも(1960年代の過去にあった話というよりも)、むしろ2020年代の現代に対する風刺のようにも思える作品だ。そしてさらに、なぜ原題は“A Complete Unknown”という奇妙な名前が付けられているのだろうか。デザインシンカー・池田純一が、その謎をひもとく。
