『アンダーニンジャ』『賭ケグルイ』『約ネバ』 浜辺美波が実写化作品に与える安定感
現代社会に潜む新たな忍者像を描いた花沢健吾の人気コミックを、山粼賢人主演で実写映画化した『アンダーニンジャ』が1月24日より公開中だ。本作は、主人公の雲隠九郎(山粼賢人)をはじめ、世界で暗躍する忍者組織「NIN」の忍者たちが、戦後70年以上にわたり地下に潜り続けている謎の組織「アンダーニンジャ(通称、UN)」との戦いを繰り広げる“現代忍者エンターテインメント”。
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『銀魂』シリーズや『今日から俺は!!劇場版』などで知られる福田雄一が監督と脚本を務めており、アクションとギャグが5:5の割合で盛り込まれた作品となっている。ギャグ要素を担うのは、福田組常連俳優の山粼、ムロツヨシ、佐藤二朗、木南晴夏ら。特に、同じく福田監督作『勇者ヨシヒコ』(東京テレビ系)シリーズで共演したムロと木南のかけ合いは必見だ。
そしてもう1人、見逃せないのが、福田監督作品初参加となる浜辺美波。「自分が何かを得ているのか、何かを失っているのかわからないような感覚になりましたが……(笑)、中途半端にならないよう、とにかくやりきりました!」とコメントしていた通り(※1)、コメディエンヌとしての才能を遺憾なく発揮している。
本作で浜辺が演じるのは、「UN」が潜んでいるという情報を得て、講談高校に学生として潜入した九郎が出会う女子高生の野口彩花。派手めな見た目に反し、ピュアで、ちょっぴりツンデレだけど優しい。そんな漫画やアニメでしか見ないTHE・ヒロインを違和感なく実写に落とし込められているのは浜辺の実力だろう。
主演の山粼はよく「実写化の申し子」と称されるが、浜辺も同様にこれまで数多くの実写化作品に出演してきた。ブレイクのきっかけとなった『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』(フジテレビ系)も、原作はアニメだ。幼なじみたちの前に幽霊として現れるヒロイン“めんま”を好演する浜辺の透明感と儚さが観る人の心を惹きつけた。
『賭ケグルイ』シリーズでは一見するとお淑やかだが、実はギャンブル狂の美少女・蛇喰夢子を、『約束のネバーランド』では自身が育った孤児院の秘密を知り、仲間とともに脱走を図る天真爛漫で正義感の強い15歳の少女・エマを演じるなど、非現実的な設定の役柄も多い。それでも浜辺個人に対する原作ファンの評価はいずれも高いように感じる。
それは彼女自身が大の漫画好きであることも1つの理由ではないだろうか。どの作品でも浜辺は原作へのリスペクトを持ち、作者が意図していることを崩さないようにしながら実在感のあるキャラクターに変換している。だから原作ファンが観ても、そうではない人が観ても楽しめるのだ。
■浜辺美波は橋本環奈に続く“福田組常連俳優”に? 作品のためなら羞恥心を捨て、体当たりの演技で挑むことも。『センセイ君主』では、一目惚れした新任のイケメン教師に猛アタックをかける女子高生のあゆはをハイテンションに演じ、多種多様な変顔や金八先生の本気なものまねも披露していた。
『アンダーニンジャ』でも口を開けたまま気絶したり、九郎から「顔に鼻くそがついてる」と指摘され、必死で振り払おうとしたり、福田監督からの容赦ない要求に全力で応えている浜辺。それなのに確実にヒロインとしての体裁を保っているところがすごい。特に無表情で何を考えているか分からない九郎を「変な奴」と思いながらも、なぜか惹かれていく彩花の溢れんばかりの感情を表情や動きで表現する彼女はとびきりキュートだ。福田監督も自身のX(旧Twitter)で、「美波ちゃんの野口、マジ最高に可愛いです!こりゃ、確かに九郎も好きになるわなっていう説得力がある!」と絶賛していた(※2)。
また、彩花も個性的なヒロインではあるが、ひと癖もふた癖もあるキャラクターが勢揃いした本作の中では最も“普通の人”と言え、自分の意志とは関係なく忍者たちの争いに巻き込まれていく役でもある。つまり視聴者と近い目線を持っており、浜辺の素直なリアクションが没入感を与えてくれるファクターとなっているのは間違いないだろう。福田監督作品ではこれまで橋本環奈がヒロイン役を担ってきたが、浜辺も新たな監督のミューズとなるのではないだろうか。プライベートで仲が良く、『第74回NHK紅白歌合戦』で共に司会を務めた間柄でもある浜辺と橋本のWヒロインもいつか観てみたい。
参照※1.https://realsound.jp/movie/2024/08/post-1763174.html※2.https://x.com/fukuda_u1/status/1883307468304138498(文=苫とり子)
