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ジムニー5ドア版『ノマド』の注目点はスタイリング

1月30日、かねてから日本デビューが待ち望まれていたスズキ・ジムニーの5ドア版『ジムニー・ノマド(JIMNY NOMADE)』が発表された。発表前の事前撮影会で担当者の話を伺うことができたので、そのデザインについてご紹介したい。

【画像】5ドア化されたジムニー・ノマドのデザインをじっくりと確認 全200枚

ついに日本でも発売された、ジムニーの5ドア版『ジムニー・ノマド』(以下ノマド)。ベース車は乗用車登録3ドアのジムニー・シエラ(以下シエラ)であり、したがってパワートレーンなどはスペックも含めてシエラと共通。注目すべきは、やはり5ドア化されたスタイリングだろう。


かねてから日本デビューが待ち望まれていたスズキ・ジムニーの5ドア版『ジムニー・ノマド』。    田中秀宣

そこで事前撮影会では、スズキ商品企画本部でエクステリアデザインを担当した四輪デザイン部デザイン企画課の主幹である松島久記(まつしまひさのり)氏と、インテリアのデザインを担当したインテリア課課長の林田崇(はやしだ たかし)氏に話を伺った。

ボディの延長分340mmは絶妙の長さ

ジムニーの5ドア版は、以前のモデルから要望はあったという。だが、さまざまな事情でなかなか実現には至らなかった。今回のノマドにしても、3ドア版との同時開発ではなく、3ドアの開発が終了してからプロジェクトが立ち上がったそうだ。

ちなみに、ノマドのデザインを担当したのは松島氏だが、3ドア版は別のデザイナーが担当している。ノマドをデザインするにあたって、シエラと差別化する(フロントマスクを別デザインにするなど)考えもあったが、ジムニーらしさを継承するということもあり、若干の意匠変更はあるものの、現行ジムニー共通の顔つきをはじめとした『ジムニーらしさ』はそのまま継承されている。


ジムニー・シエラをベースに5ドア化するため、ホイールベースを340mm延長している。    田中秀宣

5ドア化するにあたって、キモとなったのはボディサイズをどれだけ延長するかであった。3ドアと同じ全長で5ドア化は無理。かといって、ホイールベースや全長を伸ばしすぎるとクルマは大きく重くなり、ジムニーの魅力である走破性などがスポイルされる。

そうして導き出されたサイズが、340mmのホイールベース延長だった。これはジムニーの機能を保ったままロングホイールベース化できるギリギリのサイズで、それはつまりリアドアの乗降性をギリギリまで詰めたサイズでもある。

リアシートのレッグスペースは50mm、ラゲッジスペースは290mm拡大

したがってサイドビューを見ると、フロントドア(これも3ドアよりは短くなっている)に比べてリアドアはかなり短い。それでも、スズキ車に共通の90度近い開口角度やリアシート角のカットなどの採用により、乗降性に問題なく仕上げられている。

ちなみに、延長された340mmにより、リアシートのレッグスペースは50mm、ラゲッジスペースは290mm拡大された。

外観上での識別点としては、3ドアではブラックだったグリルの色をガンメタリックとし、5スロットの周囲はメッキで上級感を出している。これも形状は同じで色を変えただけかと思われたが、じつはスロットの形状など意匠は微妙に違う。ただし、灯火類は共通なので、3ドアに装着することもできる。つまり、シエラや軽のジムニー・オーナーが『ノマド風』にドレスアップしたいという要望にも応えてくれるわけだ。

インテリアのデザインも機能を表現

ロングボディ化されたエクステリアに対し、インテリア、特にコクピットは大きく変わってはいない。5ドアとなったのでリアサイドドア用のパワーウインドウスイッチがパーキングブレーキレバーの脇に装着されたくらいだ。この位置は3ドアでは小物入れスペースになっており、まさに絶妙な場所だったという。

最大の変更点はリアシートだ。3ドアではプラス2に近かった居住性は大きく改善され、大人ふたりが普通に座れる。なお、室内のサイズ(特に幅)は基本的に軽のジムニーと変わっていないから、ノマドのリアシートもふたり掛けで乗車定員は4名となっている。


ロングボディ化されたエクステリアに対し、コクピットは大きく変わっていない。    田中秀宣

1段階(約4度)のリクライニング調整機能付きで、シートクッション厚も確保し、乗り心地や座り心地を向上させている。それゆえ、リアシートバックを倒したときにラゲッジフロアとフラットにはならないが、どちらを優先するかとなったときに、やはりリアシートの居住性を重視した結果であるという。なお、オプションの荷室ボックスを装着すれば、リアシートを倒してフラットなラゲッジスペースにすることができる。

定評ある走破性や機能性に、上質感をプラス

ウインドウの映り込みを減らすブラックのインテリア、悪路走行でもクルマの状態を把握しやすい水平基調のインパネ、機能部品はメッキやシルバーで明確に配色、シートの素材などは機能や実用性を感じさせるファブリックを採用するなど、機能を重視したインテリアのデザインは3ドアから変わらない。

また、インパネアッパー部とグラブバー/ドアグリップでは2種のシボを使い分け、耐傷つき性や汚れ除去性を考慮している。このシボのデザインは、プロも使用するような高級一眼レフカメラのシボを参考にしているという。

メーターまわりなどでは材料着色樹脂ヘアライン仕上げを採用しており、これも反射をおさえるとともに高質感をもたらしている。

定評ある走破性や機能性に、5ドア化に伴い上質感をプラスしたジムニー・ノマド。今までジムニーに興味はあったが、日常的に使うにはちょっと……と躊躇していたユーザー予備軍も、このノマドの投入で触手を伸ばすことは間違いない。ラフロードはもちろん都会でも、ジムニー・ノマドの姿を見かける機会は多くなっていきそうだ。