135psのハイブリッド登場 アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダへ試乗 「らしさ」どのくらい?
イタリア語でハイブリッドを意味するイブリダ
ステランティス・グループの傘下に収まったことで、当面のアルファ・ロメオの方向性は決まったようなものだった。ジュリアやステルヴィオの時代とは異なり、後輪駆動のプラットフォームを、高額をつぎ込んで再び作ることは難しい。
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最近追加されたモデルは、同グループに属するシトロエンやプジョー、ジープ、DSなどと基礎骨格を共有していることがわかる。今のアルファ・ロメオへ求められているのは、その技術を利用し、どこまでブランドらしさを生み出すことができるかだ。

アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)
そして、現在の欧州市場で人気を集めているのは、手頃な大きさと価格のクロスオーバー。プジョー2008やジープ・アベンジャー、フィアット600などとなる。
AUTOCARでは既に、バッテリーEV版のジュニア・エレットリカへ試乗している。280psにリミテッドスリップ・デフ、サベルト社製バケットシートが与えられたベローチェ仕様は、明るい将来を感じさせるのに充分だった。完全に、とはいえなくても。
だが、バッテリーEVがすべての人に適合するわけではないことを、アルファ・ロメオは理解している。より未来を確実なものとすべく、イタリア語でハイブリッドを意味するイブリダが、2025年に追加される。
アルファ・ロメオは、このクロスオーバーの説明に「本物の感情」といった言葉を用い、スポーティさを強調している。簡単ではない「らしさ」を、ジュニア・イブリダはどの程度宿すのだろうか。
1.2L 3気筒ターボのHV 内装の差別化は限定的
パワートレインは、プジョー208から5008まで、幅広く搭載されるものと基本的に同じ。135psを発揮する1.2L 3気筒ターボガソリンエンジンに、28psの電気モーターと駆動用バッテリーが組み合わされている。
制限速度で穏やかに運転していれば、電気モーターだけで走行も可能。燃費性能には優れている。だが、伝統の盾型グリルにマッチするといえるだろうか。

アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)
果たして、その答えは乗る人の受け止め方で大きく変わりそうだ。従来のアルファ・ロメオへ期待するような、魅惑的でワンランク上のドライバーズカーを求めるなら、ジュニア・イブリダはそれに若干届いていないかもしれない。
仕上がりは、決して悪くない。しかし、少し普通すぎるからだ。
筆者がまず気になったのは、インテリア。メーターパネルに丸いカウルが2つ並ぶのは、伝統に則ったデザインといえる。だが実際は、長方形のメーター用モニターが、その奥へ調和せずに収まっている。
ドアの内張りは、アベンジャーと同じ。ダッシュボードも、少し安っぽい印象が拭えない。スイッチ類は、ステランティス・グループで見慣れたもの。高級感を感じさせるとはいいにくい。
インフォテインメント・システムも同様。特に操作性に優れる、とはいえないだろう。
同クラスでは加速は活発 落ち着いた操縦性
運転姿勢は、腕を伸ばし、膝を少し曲げたスタイル。これは、CMPプラットフォームがベースのモデルで共通するもの。後席側の足元空間は、やや狭め。荷室容量は415Lで、ライバル以上に広いわけではない。
アルファ・ロメオを車内でより感じたい場合は、オプションのサベルト・シートを選ぶのが良さそうだ。バケットタイプで高価な装備だが、ぐっと車内のスポーティな雰囲気は高まる。

アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)
このクラスのクロスオーバーとして、加速は充分に活発。ある程度、エンジンを気張らせる必要はあるけれど。これも、ステランティスの他のモデルに通じる特徴といえる。
6速デュアルクラッチATは、反応が若干鈍い。回転数を低めに保とうとする制御で、エンジンが息苦しそうになる場面がある。マニュアルモードで自らギアを選べば、スポーティなサウンドを聞きながら、キビキビと加速できる。
落ち着いた操縦性も、CMPプラットフォームを採用するモデルらしい。グリップ力は高く、旋回初期の反応は良好。ステアリングの感触は、プジョー2008より僅かに手応えがある様子。楽しいとまでは表現しにくいが、全体的なまとまりは優れている。
アルファ・ロメオなら、もう少しシャープで、ラインを自在に選べても良い。乗り心地が、際立って良いわけでもない。それでも、このクラスとしてはスポーティではある。
小さなクロスオーバーとしては好ましい選択肢
もっとも、ジュニアは小さなクロスオーバー。アルファ・ロメオらしいボディタイプではない。競合はステランティス・グループの各車の他に、レクサスLBXやフォルクスワーゲンTクロスなど。車高は低いが、ミニ・クラブマンも該当するだろう。
英国価格は未定ながら、ベルギー仕様を参考にすると、約2万3500ポンド(約458万円)からとなる見込み。スペチアーレ・グレードでは、2万6000ポンド(約458万円)程度になるはず。英国で主力になるのは、後者になると考えられる。

アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)
純粋に、全長4173mm、全幅1781mmのクロスオーバーだと割り切って捉えるなら、ハイブリッドのジュニアは好ましい選択肢になる。クラブマンやLBXと同等の、高級感はないとしても。
ステランティス・グループ内で比べれば、しっかりプレミアム。運転しやすく、燃費も良い。検討候補に加えたい、周囲とはひと味違うモデルには仕上がっている。
アルファ・ロメオ・ジュニア・イブリダ・スペチアーレ(欧州仕様)のスペック
英国価格:約2万6000ポンド(約458万円/予想)
全長:4173mm
全幅:1781mm
全高:1535mm
最高速度:206km/h
0-100km/h加速:8.9秒
燃費:19.2-20.4km/L
CO2排出量:110-117g/km
車両重量:1305kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:135ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)
