茂木健一郎氏が語る年齢差別「日本人の偽りの『やさしさ』の影響」

脳科学者の茂木健一郎氏が自身のプラットフォームで「日本人のいつわりの『やさしさ』が、奇妙でゆがんだ『年齢差別』につながっている」と題し、日本における選挙分析と年齢差別についての見解を述べた。茂木氏は、町山智浩氏のアメリカ大統領選に関する分析が炎上したことに触れ、「学歴差別だ」との批判に対し、日本とアメリカの選挙報道の比較を通じて問題点を指摘した。

茂木氏は、「アメリカでは国民の属性による選挙行動の分析が普通に行われているが、日本ではそれが主流のメディアでは見られない」と述べ、年齢に関して偏った分析がなされることに対し、違和感を覚えたという。特に、年齢による区分を安易に結論として用いることが「知的に誠実ではない」と批判。「もしデモグラフィックに統計を取るのであれば、『年齢』だけでなく、学歴、年収なども取り入れるべき」と主張した。

さらに、「日本の1億総中流という幻想や、社会を分断したくないという優しさから、多様な属性を分析することを避けている」と茂木氏は分析し、「そんな中、なぜか、年齢による分析だけがオッケーとされている」と続け、「日本の年齢差別には偽りのやさしさが影響している」と考察を深めた。

最終的に茂木氏は「統計的態度としてすべての関連するパラメータに目を配りつつ、統計データを取り扱うべきだ」と提言。その上で、「年齢についてだけ別に何を言っても平気というのはおかしい」と述べ、日本の現状に一石を投じる形で締めくくった。最後に「みんなで仲良くしよう」と呼びかけ、談話を終えた。