「確信犯としか思えなかった」メジャーデビュー目前に路上ゲリラライブで書類送検→活動自粛…アイドル界唯一の“ブラドル”CiONとは何者なのか
アイドルグループのメジャーデビューが目前で警察沙汰で阻まれた。警視庁は10月22日、道路交通法違反(道路不正使用)の疑いで、アイドルグループ「CiON(シーオン)」の20歳代のメンバー4人や所属会社の男性社長ら10人を書類送検した。
「グループは今年5月6日、JR新宿駅東南口の歩道上に機材を無断で置いて路上ライブをした疑いで書類送検されました。昭和のころはよく新宿駅前でフォークグループがゲリラライブを行って警察沙汰になることもありましたが、最近ではかなり珍しい事態です」(警視庁担当記者)
シーオンと聞いてピンと来る向きはなさそうだが、業界では、メジャーデビュー前とはいえ、異色のスタイルを誇り、独特の存在感をすでに示していたという。
アイドルグループCiON(公式Xより)
「アイドル界唯一の『ブラドル』として売り出してきました」
「シーオンの特色は一目で分かります。グループの半数以上が楽器を担当している上、単なるガールズバンドとは違い、手にしている楽器がサックス、トロンボーン、キーボードとブラスバンド系のラインナップなんです。アイドル界唯一の『ブラドル』として売り出してきました」(同前)
2016年から活動を始めた異色の存在は8年目となる今年、クリスマス発売のシングル「しましょ」で、念願のメジャーデビューが決まっていた。何を隠そう、そのデビュー決定の記念ライブが5月6日のことで、その後に警察沙汰となったゲリラライブが敢行された。
ゲリラライブとは思えない用意周到ぶりも目撃
当時のライブを賞賛するX上の声のなかにも《ライヴ、その後の特典会。そして路上(ゲリラ)ライヴってどういうこと》などと、ゲリラライブへの言及やそのときの動画が見られる。
ただ、ゲリラライブは大抵、予告なしに行われ、ファンでない警察が現場を押さえることは困難のはず。なぜ、発覚したのか。
「新宿では路上ライブは日常的に行われるため、警察官が巡回している。まさに警察官がいる現場で行われたため、ライブは30分も経たないうちに中止された」(捜査関係者)
さらに、現場ではゲリラライブとは思えない用意周到ぶりも目撃されていた。
「ファンだけでなくスタッフも動画を撮影してチラシを配るなど確信犯としか思えないライブだった。しかも、このグループは前にも注意を受けていた。他の素人グループと比べても組織性が際立っていた」(同前)
ゲリラライブで映像が残るものといえば、ビートルズが晩年にビルの屋上で決行し、警察沙汰になった「ルーフトップ・コンサート」が有名で、今も伝説的に語られる。
果たしてシーオンはこのいわくつきのライブを後の伝説へと昇華できるか。所属会社はデビューシングル発売中止と当面の活動自粛を既に公表している。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2024年11月7日号)