日経平均は続伸、個別物色広がる 円安も支援
Hiroko Hamada
[東京 29日 ロイター] - 前場の東京株式市場で日経平均は、前営業日比213円98銭高の3万8819円51銭と、続伸した。前日の上昇の反動で朝方は軟調だったが、企業決算などを手掛かりにした個別物色が相場を支えた。為替相場が円安基調を維持していることも支援材料となった。
日経平均は前営業日比81円安と小幅安でスタートし、ハイテク株の一角に押し下げられる形で一時188円安となった。その後は次第に下げ幅を縮小し、好決算銘柄への買いも支えに前場中盤には292円高の3万8897円93銭で高値を付けた。セクター別では、米金利の上昇傾向を受けて銀行や保険など金融株が堅調だった。
市場では「為替の円安によって企業業績の先行きに対する期待が維持されているようだ」(野村証券のストラテジスト・澤田麻希氏)との指摘が聞かれた。ただ、日経平均は底堅さを維持しているものの、「国内の政局の不透明感がある中ではどんどん上値を追える状況ではないとみられ、方向感は出にくいのではないか」(澤田氏)という。
TOPIXは0.81%高の2679.32ポイントで午前の取引を終了。東証プライム市場の売買代金は1兆8715億0400万円だった。東証33業種では、銀行、証券、商品先物取引、保険など30業種が値上がり。ガラス・土石製品、金属製品、精密機器の3業種は値下がりした。
個別では、日東電工が4%超高と堅調。日本ペイントホールディングスが15%超高で大幅上昇した。前日に米化学企業のAOCなどを傘下に持つ持ち株会社を買収すると発表し、手掛かりになった。一方、前日に業績予想の下方修正を公表したTOTOは11%超安と大幅下落。
三菱UFJフィナンシャル・グループが3%超高、みずほフィナンシャルグループが2%超高と銀行株が買われた。
プライム市場の騰落数は、値上がり1197銘柄(72%)に対し、値下がりが401銘柄(24%)、変わらずが48銘柄(2%)だった。