【解説】ドジャース世界一まであと2勝!左肩亜脱臼の大谷選手、第3戦に出場は?山本由伸投手の再登板は?

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熱戦が続くワールドシリーズ。劇的勝利でドジャース2連勝、大谷翔平選手、世界一まであと2勝です。これまでの試合と今後の展開について、MLBジャーナリストのAKI猪瀬さんとともにお伝えします。

25日に初戦の予想をAKI猪瀬さんにしていただきましたが、その時は5対3でヤンキースが勝つのではないかという予想でした。
実際ふたを開けてみると、結果は6対3でドジャースが勝ちましたが、AKI猪瀬さんの言っていた展開どおりになっているんです。

数字を見ると、ヤンキースが先行してドジャースが追いかけていく展開は予想と変わらず、ただ最後の最後にフリーマン選手が逆転サヨナラ満塁ホームランという劇的勝利で、ドジャースが初戦をものにしました。

今回120回目を重ねるワールドシリーズで、試合がサヨナラ満塁ホームランで決着したというのは史上初めて。まさに劇的な一本が出たといえます。

ホームランを打ったのはドジャースの精神的支柱・フリーマン選手(35)ですが、2024年の夏に大きな転機がありました。

三男のマックス君がギランバレー症候群を発症して危険な状態になり、付き添うためにチームから離脱するという決断をしました。
大谷選手を含むチームメートもマックス君への応援メッセージが書かれたTシャツを毎日のよう着用していました。

マックス君の容体が回復し、フリーマン選手は8月に復帰しましたが、その試合でファンがスタンディングオベーションで迎えるシーンがありました。

一方、ヤンキースの精神的支柱の1人といわれるジャッジ選手ですが、この2試合、振るいませんでした。
9打数1安打、三振が6つもあったんです。

──ジャッジ選手は調子が悪い?

MLBジャーナリスト・AKI猪瀬氏:
深刻ですね。バットにボールが当たる気配すらありません。よりチームにとって深刻なのが、ポストシーズンが始まって、ランナーが2塁3塁にいるチャンスでバッターボックスに10回ジャッジ選手は立っているんですが、タイムリーヒットはゼロ。
これがチームにとっては大きいですね。

そして、気になるのが大谷選手。
開幕戦では、第1打席の初球、さらに8回の第4打席で、あと少しでホームランという当たりもありました。

──大谷選手のけがや調子についてはどうか?

MLBジャーナリスト・AKI猪瀬氏:
調子自体は非常にいいと思います。(第4打席の)フェンス直撃の当たりでは、ヤンキースのケンリー選手というピッチャーがチェンジアップを投げましたが、チェンジアップ以外の球種だったら確実にホームランになっていました。
そして、左肩の亜脱臼に関して言うと、何とも言えないんですが、左打ちの大谷選手は右利きなので、右手のリードが強いため、左肩にそんなに負担はかからないと思います。今、アメリカ国内の報道によると、ゲーム3もおそらくスタメンで出るんじゃないかと踏んでいるので、大事には至っていないと信じたいと思います。

日本時間28日、ロバーツ監督は、大谷選手は素振りをしているということで、出ることに関しては“示唆をした”という状況です。

──山本由伸投手については、どう振り返る?

MLBジャーナリスト・AKI猪瀬氏:
なぜヤンキース戦でこれだけのパフォーマンスが出るかというと、ヤンキースというチームはメジャー30球団中、最もフォアボールを選ぶんです。
相手のフォアボールを利用して一気に得点を取っていくチームなので、山本投手はピンポイントの制球力がありますから、裏を返すとヤンキースが一番相手にした時に難しいピッチャーになるのため好結果が出るんだと思います。

7回途中まで投げてフォアボールはたったの2個。
ほとんど低めにボールを集めていました。

その山本投手ですが、あと1回投げるかもしれません。
このままでいくと2戦目で投げて、第6戦で投げる予想が出ています。

──一気にドジャースが決めるのか、それともヤンキースが巻き返すのか、AKI猪瀬氏の予想は?

MLBジャーナリスト・AKI猪瀬氏:
「あすドジャースが勝てば優勝!?」です。ワールドシリーズ史上3勝0敗になって返されたチームはありません。7試合制という大きなくくりで見ても、2004年にボストン・レッドソックスが0勝3敗から逆転したという1例しかないんです。
ワールドシリーズでは3勝0敗から負けがないので、29日の第3戦で勝てばドジャースが歴史的には優勝です。