石破首相「先頭に立ち取り組む」と続投に意欲、野党との連立想定せず

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Yoshifumi Takemoto

[東京 28日 ロイター] - 石破茂首相(自民党総裁)は28日午後、衆院選の結果を受けて記者会見し、議席数を大幅に減らしたことを「国民の厳しい審判」だと指摘した上で、「政治改革や経済対策などの課題に先頭に立ち取り組む」と述べて続投に意欲を示した。政権運営に当たっては大きく議席を伸ばした党の主張は取り入れるとする一方で、野党との連立は現時点では検討していないと述べた。

27日投開票の衆院選で、与党は公示前勢力を大幅に減らして15年ぶりの過半数割れとなり、大敗を喫した。

石破首相は選挙結果の要因について、政治とカネを巡る国民の不信を払拭できなかったためと分析。その反省を踏まえ、「批判に厳粛にこたえながら職責を果たしたい」と述べた。

11月に予定されているアジア太平洋経済協力会議(APEC)や20カ国(G20)首脳会合などの外交日程にも「適切に対応する」とし、出席の意向を示した。

一方、政策運営においては、大きく議席を伸ばした他党の主張は「取り入れるべきは取り入れるということに躊躇があってはならないと考えている」と指摘。経済政策に関しても、党派を超えて経済政策や補正予算を実施したいと述べた。

ただ、政権の枠組み入れ替えについては、今の時点では「第三党との連立を想定しているわけではない」とした。

選挙結果を受け、自民党では小泉進次郎選挙対策委員長が辞任した。自らの責任問題を問われた首相は、「党内にいろいろな声があることは承知しており、真摯に耳を傾ける」と述べた。

選挙で落選した閣僚の後任については「適宜適切に、早急に決める必要がある」としたが、特別国会の開催との整合性も必要と述べ、首相指名後となる可能性を示唆した。首相指名が行われる特別国会は、憲法の規定通り投開票から30日以内に実施する意向という。