経団連会館

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 自民、公明両党が過半数を割り込んだ衆院選の結果を受け、経済団体からは政治空白を生まず、安定した政権運営を求める声が相次いだ。

 経団連の十倉雅和会長は「(自民党の)政治資金を巡る問題に対し、国民が厳しい判断を下した。真摯(しんし)に受け止めるべきだ」とのコメントを出した。ただ、日本経済は成長と分配の好循環に向けて歩み始めた状況にあり、十倉氏は「自民党・公明党を中心とする安定的な政治の態勢を構築し、政策本位の政治が進められることを強く期待する」として、現在の与党の枠組みを基盤とした政権運営を行うように求めた。

 日本商工会議所の小林健会頭は「政治資金の透明性を高めることはもとより、政策の実現を通じて、国民の信頼を回復してほしい」と注文をつけた。その上で、「政治の安定なくして持続的な経済成長はあり得ない」と強調し、「安定的な体制の下で、中長期的な我が国再生の道筋を描くべきだ」と訴えた。

 経済同友会の新浪剛史代表幹事は、与党の過半数割れについて「国民の政治に対する不信の深まり、払拭(ふっしょく)のための取り組みが不十分だったことの証左だ」と指摘。「まず何より、政治に対する信頼を回復すべく、政治資金の問題を含めた政治改革にまい進すべきだ」と求めた。選挙期間を振り返り、「山積する重要課題に議論が十分尽くされたとは言い難い」との不満も示した。