運転免許の更新に行ったら、「交通安全協会」への入会をすすめられました。加入は「任意」なの? 入会する“メリット”も紹介

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交通安全協会は、交通安全や事故防止を目指し、教育活動や広報・啓発を行う団体です。免許更新時に入会を勧められることもあり、入会すると協力金の支払いを求められます。加入が必須だと思っている人もいれば、入会しないと決めている人もいるなどさまざまなケースがあるでしょう。 本記事では、交通安全協会とはどのような団体なのか解説し、入会金や入会するメリットについても紹介しています。

免許センターで入会を勧められる交通安全協会とは?

大正から昭和にかけて、自動車の普及によって交通事故が増加しました。1919年に運転免許制度などを定めた自動車取締令、1920年に人や車の左側通行などを定めた道路取締令が交付されました。これらの法令の周知のために、警察の指導により広島、静岡、岐阜、福岡、愛知などで交通安全協会が結成されはじめたのです。
交通安全協会は、交通安全のためにさまざまな事業を行っています。主な事業内容は次の通りです。

●交通安全思想の普及啓発
●交通安全教育の推進
●各種研修会の開催
●交通安全表彰
●交通安全に関する調査研究
●交通安全教育用資料・機材の作成・配分
●諸外国との交流

図表1のような、交通安全思想の普及のためのハンドルキーパー運動のチラシを、居酒屋などで目にしたことがある人もいるのではないでしょうか。こうした普及啓発のほか、夜間の歩行者を守るための反射材の普及のため反射材を配布したり、小中学生などを対象に交通安全ポスターやスローガンの募集をしたりする活動なども行っています。
図表1

一般社団法人全日本交通安全協会 事業
交通安全協会の会費は、このような交通安全のための活動に使用されています。
 

交通安全協会の会費は?

交通安全協会の会費は、各都道府県によって異なります。「協力金」とも呼ばれる会費は、年間で300~700円が相場で、中にはゴールド免許で有効期限5年の場合には5年分の1500~3500円をまとめて支払うところもあるようです。なお、愛知県などは会員制ではないため、会費の徴収がありません。
交通安全協会への加入は任意のため、「入りません」と断っても問題ありません。手続きの流れで案内されるため、加入が必須だと思っていたり、更新手続きにかかる費用だと思っていたりする人もいますが、辞退することも可能です。
 

交通安全協会への入会にメリットはある?

交通安全協会に入会している人の中には、「交通安全や事故防止のために役立つなら」と理解して、協力金を支払っている人もいるかもしれません。しかし、自身にメリットがなければ、あまり加入する必要性を感じない人が多いのではないでしょうか。
交通安全協会に加入するメリットは、各都道府県によっても異なりますが、次のようなものがあります。

●免許証ケースやボールペン、反射板などのグッズがもらえる
●ホテルやガソリンスタンドなど、協賛店の割引が受けられる
●チャイルドシートの無料レンタルができる
●長期優良運転者の表彰が受けられる
●交通事故で長期入院した場合に見舞金が給付される

チャイルドシートの貸し出しができることは意外と知られていませんが、1ヶ月程度無料でレンタルできます。実家へ帰省するときや旅行のときなど、一時的にチャイルドシートが必要な場合に活用できそうです。
 

まとめ

交通安全協会は、地域の交通事故防止のための啓発活動や、交通安全に関する調査などを行っています。交通安全協会費は、運転免許の有効期限に応じて3~5年分をまとめて免許更新時に支払う場合が多いようです。各都道府県によって異なりますが3~5年分で1500~3500円程度が相場となります。
加入は任意のため、案内時に加入しない選択も可能です。加入のメリットも、各都道府県によって異なりますが、協賛店での割引が受けられたり、チャイルドシートのレンタルができたりする場合もあります。
 

出典

一般財団法人全日本交通安全協会 事業
栃木県交通安全協会 会員特典
執筆者:古澤綾
FP2級