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 ◇ワールドシリーズ第2戦 ドジャース−ヤンキース(2024年10月26日 ロサンゼルス)

 ドジャースの山本由伸投手(26)が26日(日本時間27日)、本拠でのヤンキースとのワールドシリーズ第2戦に先発登板。1―0の3回にフアン・ソト外野手(26)に同点ソロを浴びたが、打線の援護に恵まれ、7回を終えて1安打1失点、ポストシーズン自己最多86球の好投で勝ち投手の権利を手にして降板した。

 先頭のトーレスにはカウント1―2と追い込んでから3球連続ボールで四球を与えた。2番ソトは遊ゴロに打ち取ったが、二塁E・ヘルナンデスが一、二塁間寄りに守っていたため併殺は取れずに1死二塁と得点圏に走者を進められた。それでも3番ジャッジ、4番スタントンの強打者を空振り三振、一飛に仕留め、無失点で切り抜けた。

 2回も1死後に6番リゾに四球を与えたが、その後は冷静に打ち取って走者を許しながらも無失点投球を続けた。その裏の攻撃でエドマンに先制ソロが飛び出し、1点の援護を受けた。

 しかし、3回2死走者なしからソトに手痛い一発を浴びた。カウント2―2から外角を狙った速球が内寄りに入り、右越えに同点ソロを浴びた。山本にとってはこの試合初の被安打が手痛い一発となった。

 打線がT・ヘルナンデス、フリーマンの2者連続本塁打で3点を勝ち越した。そのいい流れを受け、山本は4回はスタントン、チザム、リゾの強打者をこの試合初の3者凡退に抑えた。

 5回は先頭のボルピをスプリットで空振り三振。ウェルズを一ゴロ、バードゥーゴは左飛と2イニング連続で3者凡退に打ち取って試合のリズムをつくった。6回も1番から始まる好打順だったが、トーレス、ソトを簡単に打ち取って2死。ジャッジは空振り三振に打ち取り、80球で6回を終えた。そして、7回先頭のスタントンを二飛に打ち取ったところでデーブ・ロバーツ監督が交代を決断。ベンチに戻る山本にファンはスタンディングオベーションで好投をねぎらった。ファンからは「ヨシ」コールが送られ、ベンチでは大谷と笑顔でハイタッチをする場面もあった。

 ソトに一発を浴びた後は打者11人連続アウトと圧巻の投球。日本投手がWSで6回1/3を投げるのは、2007年の松坂の5回1/3を上回り、日本投手のWS最長イニングとなった。

 WSでの日本投手の先発は2007年レッドソックスの松坂大輔、2017年ドジャースのダルビッシュ有(現パドレス)に続き3人目の快挙。勝利投手となれば同年の松坂以来2人目だが「とにかく、いつも通りの気持ちでマウンドに上がれるようにしたいなと思います」と冷静に話していた。

 ポストシーズンはここまで3試合に登板して1勝0敗、防御率5.11の成績もチームはいずれも勝利。今季は右肩腱板損傷で約3カ月の離脱を経験した右腕は「特に10月は凄く大事になる時期。ベストを出して、離脱していた分、より貢献したい気持ちが強い」と意気込んでいる。