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R34型GT-RからハコスカGT-Rに乗りかえ

スーパーカーや趣味車の展示を通じ、クルマ好きの子どもたちに歓んでもらうことを主意としている日本スーパーカー協会のイベントでは、日本特有のクルマ文化を海外にPRするため、国産旧車にも着目している。

【画像】走行7万7777km到達したハコスカGT-RとトヨタMR-SがベースのカウンタックLP500 全41枚

そのため10月5日から6日かけてお台場で開催された『TOKYO SUPERCAR DAY 2024』でもコンディションのいい国産旧車を展示し、老若男女を問うことなく、多くのクルマ好きから注目を集めた。


街中で見たハコスカGT-Rをカッコよさに心酔し、戦績などはよく知らずに購入。    高桑秀典

初日は傘を手放せない生憎の天候となったが、”ハコスカ”と呼ばれる往年の日産スカイラインGT-Rを所有するオーナーにお話を伺うことができたので、リアルな声をお届けしよう。

「街中でスカイライン2000GT-Rが土煙を巻き上げながら走っている姿を見て、衝撃を受けました。それで自分も乗ろう! 探そう! と思ったわけです。もしかしたら、私が遭遇したスカイライン2000GT-RはS20型エンジンではなく、L型を積んでいるGT-R仕様だったのかもしれませんが、とにかく土煙と共に走り去るシーンが印象的でした」

そのように話してくれたTOYO・HIROTAさんは44歳(取材時)で、7年前に1972年式のハコスカGT-Rを購入した。

「以前、R34型GT-Rのニュルに乗っていまして、走行距離8000kmの個体を購入して17年間所有しました。エンジンを2回載せ替え、さて、3基目をどうするかな? というときにハコスカGT-Rに乗りかえたのですが、実は、その時点ではハコスカGT-Rのことをよく知りませんでした」

1900万円のハコスカGT-Rを10年ローンで購入

TOYO・HIROTAさんによると、ハコスカGT-Rを探し始めてから1か月ほどで売り物を見つけることができたが、それは4ドアのPGC10型。街中で遭遇したのは2ドアのKPGC10型だったので、ハコスカGT-R探しを再開する。

「自分で購入するなら2ドアハードトップにしようと思って、金額をASKにして売っているショップに片っ端から電話しました。7年前で、だいたい1700〜2500万円という相場でした」


オーナーのTOYO・HIROTAさん。納車時に5000km表示だった総走行距離は、すでに7万7777kmに到達!    高桑秀典

そしてとあるショップで1900万円にて販売しているハコスカGT-Rを見つけ、ローンの審査も通ったので、”漢”(おとこ)の頭金なし、10年払いでKPGC10型を購入したそうだ。

「ニュルに乗っていたときよりも自動車趣味の世界が広がりました。ハコスカGT-Rは構造がシンプルで直せるので、ずっと乗れますね」

日夜、国産旧車生活を楽しんでいるTOYO・HIROTAさんは愛車を自分好みにしており、その内容についても話してもらった。

「純正だったステアリングは国産旧車用のチェックマンに変更。同じくノーマルだったシートはニスモにして、純正は家でオブジェになっています。マフラーはメーカー不明のステンレス製からプロテックのチタン製にしました。キャブレターはニスモ・ミクニの44φ。タコ足とファンネルはチタン製です」

納車時に5000km表示だった総走行距離は、すでに7万7777kmに到達と、かなりの距離を走ってきたTOYO・HIROTAさん。ローンの返済期間があと3年残っているので、その距離はまだまだ伸びそうだ。

カウンタックLP500のレプリカはMR-Sがベース

日本スーパーカー協会が国産旧車と共に展示することを認めているのが、カウンタックLP500のレプリカだ。

オーナーのしんじさんは現在57歳で、2000〜2003年頃にカウンタックを購入したいと思ったが、既に2000万円と高額だったので断念。レプリカでもいいかな? と考えるようになったのだという。


オーナーのしんじさん。実はMR-SとLP500のホイールベースは同じ2450mm。    高桑秀典

「クラッシュテストに使用されて現存しないLP500のことを大人になってから知って、キレイなクルマだと思いました。カウンタックは進化する過程で、どんどんデコラティブになりました。でも、やっぱりLP400までのシンプルなデザインがいいんです」

しんじさんは以前からレプリカを造っているショップをよく訪れていたらしく、ニュージーランドのキットメーカーがカウンタック・レプリカを生産しなくなり、懇意のショップがトヨタMR-Sベースで造るという情報を入手。それを踏まえ、2017年6月にLP500の製作をオーダーした。

「ランボルギーニが公開している数枚の写真とプラモデルやミニカーを作っている人たちの資料しか存在していないので、ショップと話した結果、LP400レプリカ用の型をベースに、それを修正しながらLP500にしました。内装はカウンタックの市販版を参考にしています」

資料集めなどに時間がかかり、2019年の正月から造り始め、同年の9月に完成したそう。ドアの構造などもLP400レプリカがベースだが、とにかくよくできた1台だと感じた。