30年以上ぶりにフジテレビのものまね番組に出演したコロッケ(時事通信フォト)

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「緊張するわ。だって、フジテレビの『ものまね番組』出るの30年以上ぶり」──土曜プレミアム『とんねるずの2億4千万の大陸スペシャル』(フジテレビ系)が10月19日に放送され、同番組のコーナー「2億4千万のものまねメドレー選手権」にトリとして出演したコロッケ(64)は、冒頭のように感慨深さを口にした。

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 同コーナーは、郷ひろみのヒット曲『2億4千万の瞳-エキゾチック・ジャパン-』に合わせて、実力派芸人たちが至極の有名人ものまねを組み込んでいく人気企画。この日は神奈月、原口あきまさ、古賀シュウ、ジョニー志村、ミラクルひかる、ゆうぞう、みかん、キンタロー。などが出演。コロッケは後輩たちと同じステージで、新ネタのBTSに始まり、SixTONESのジェシー、北島三郎、五木ロボット、美川ロボット、野口五郎まで、21種類のものまねを立て続けに披露した。

 30年以上フジテレビのものまね番組に出演していないというコロッケの復帰サプライズは、石橋貴明(63)の直談判だったという。

「2年前の『2億4千万ものまねメドレー選手権』を収録した夜に、偶然再会し、十数年ぶりに酒を酌み交わしたのがきっかけだったようです。番組で石橋さんが『スタッフと1杯飲んでいたんです。帰ろうと言って西麻布のバーのガラス越しに、コロッケがいたの』『“コロッケ、2億4千万出てくれない?”って言ったら、“あ、出るよ”って。その2年後が今日なんですよ』と、明かしていました」(テレビ局関係者) 

コロッケとフジテレビ…一体何があったのか

 コロッケと石橋は下積み時代、お笑いオーディション番組『お笑いスター誕生!!』(日本テレビ系)で互いにしのぎを削った仲。昔からの絆で実現した共演だったようだ。しかし、ものまね芸人の先駆者であるコロッケが30年以上もの間、フジテレビから離れていた理由は何だったのだろうか。

 人気番組『ものまね王座決定戦』(フジテレビ系)で脚光を浴びたコロッケは、清水アキラ、ビジーフォー(グッチ裕三・モト冬樹)、栗田貫一らと合わせて“ものまね四天王”と呼ばれ、一世を風靡した。

 しかし1992年3月、32歳のときにコロッケは突然、同番組を降板。“ものまね四天王”は事実上消滅し、フジテレビのものまね番組からも姿を消した。当時を知る芸能プロ関係者が語る。

「コロッケさんは“2年間は他のものまね番組に出ません”と、ケジメをつけてフジを出ていきました。“ものまね四天王”の生みの親だった番組幹部とコロッケさんが、方向性の違いから衝突したのが、原因の1つだったそうです。のちのインタビューで彼は “『ものまね王座決定戦』は、ネタの時間が1分。やりたいことがたくさんあって、どうしても2〜3分かかる。長いものだと5分。そこを自分だけ『数分ください』というのは受け入れられなかった”と明かしています」

 所属事務所からの独立も重なり、それまで真っ黒だったスケジュール表が降板後の2年間、真っ白になったというコロッケ。その後、1994年から始まった日本テレビ系の『ものまねバトル大賞』に新天地を求め、コロッケは復活を遂げた。

 決裂から32年、石橋の仲介で実現した雪解け出演だった。