丸川珠代氏

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 裏金議員39名中、夫婦で処分されたのは丸川珠代元五輪相(53)と大塚拓衆議院議員(51)の二人をおいてほかにない。両者ともに苦しい選挙戦が予想されるのだが、片や検察審査会での審査を申し立てられ、片や無反省な態度で地元からも総スカンなのだとか。

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【写真10枚】「2人で1800万円以上の不記載って……」夫婦ともに戒告処分を受けた、“丸川珠代”夫とのツーショット写真 仲むつまじく手をつなぐ様子も

 公示日の10月15日、秋晴れの空の下、真っ白なスーツに身を包んだ丸川氏は、東京都港区の選挙事務所で100名以上の支援者らの前で涙ながらに、

「私の政治の師である安倍総理が目指した日本の繁栄を守る。もう一度世界の真ん中に輝く日本を取り戻していきます」

丸川珠代

 と公示後の第一声を発した。参院から衆院に鞍替えしての出馬であるが、

「選挙区の新東京7区は渋谷区と港区から成り立ちます。この二つは立憲民主党が比較的強い地域です」

 とは自民党関係者。

「彼女は地元の集会に顔を出しては時に有権者に対してハグするなど、ボディタッチを交えた必死の“お願い”をしているものの分が悪い。しかも、丸川氏は裏金事件に関して一度は不起訴処分になったにもかかわらず、裏金議員をあぶり出す告発を行った神戸学院大の上脇博之教授らが不起訴は不当だとして今月11日、検察審査会に審査を申し立てたばかり。あまりにイメージが悪過ぎます」(同)

悪質さにおいて群を抜く存在

 上脇氏に話を聞いた。

「そもそも丸川氏はマスコミの取材に、2018年から5年間で計822万円の不記載があったと認めたうえ、“派閥からノルマ超過分は持ってこなくていいと言われた。資金は(自分の)口座で管理していた”と語っていました」

 その意味するところは、

「自分自身の口で、政治資金規正法違反を認めたということです。なぜなら、政治資金規正法は原則的に政治家個人への寄付を禁じているからです。その彼女が不起訴なのは、捜査が尽くされたとは到底言い難い。だから検審に申し立てたのです」(同)

 裏金を事務所ではなく、個人の口座でプールしていたならば、生活費に充てていた可能性すら否定できない。裏金議員の中でも、その悪質さにおいては群を抜く存在といえる。ゆえに、

「丸川氏は民主党政権下の国会で“愚か者めが”と激しい野次を飛ばしたことで知られますが、まさに今、ネット上では誰が本当の“愚か者”なのか、と非難の的になっています」(政治部デスク)

ある会合の録音

 その言葉は夫の大塚氏にも当てはまりそうだ。氏の選挙区、埼玉9区に詳しい政界関係者が言う。

「大塚氏の不記載額は994万円で決して少額ではないのに、裏金問題について反省の色が見られません」

 たとえば氏は7月30日、地元商店街の会合に出席した際の発言で出席者から大いに不興を買っている。以下は、本誌(「週刊新潮」)が入手した録音の一部である。

〈去年の12月くらいから安倍派の議員だけマスコミに追いかけ回されたりしていたと思うのですが、あれも最初、検察がリークしているんだと思っていた。頭にきて、検察に私、怒鳴り込んだんです。やり過ぎじゃないかと〉

 頭(こうべ)を垂れるどころか、検察に怒鳴り込んだというお門違いの“武勇伝”を披露してしまったのだからあきれるほかない。

 大塚氏に発言に関する見解を問うたが、回答はなかった。

「別の会合では、大塚氏が素直に謝罪しないので、ある地元のベテラン市議が支援者らの面前で彼を“言い訳ばかりするな”と叱る一幕がありました」(同)

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「週刊新潮」2024年10月24日号 掲載