カリフォルニア州立大学サクラメント校の数学教授であるジェイ・カミングス氏が、学術論文検索サイトのGoogle Scholarで、「万有引力の法則」発見などで知られる科学者のアイザック・ニュートンのプロフィールに「メール認証済み」と記載されているのを発見したことが話題になっています。



Google Scholar has a 'verified email' for Sir Isaac Newton

https://www.bleepingcomputer.com/news/security/google-scholar-has-a-verified-email-for-sir-isaac-newton/

Google Scholarのアイザック・ニュートンのページは以下。これまでに発表した論文や、論文がどれぐらい引用されているかという情報のほかに、マサチューセッツ工科大学(MIT)の物理学教授であること、そして「MITのメールアドレスによって認証済み」であることが示されています。

‪Isaac Newton‬ - ‪Google Scholar‬

https://scholar.google.com/citations?user=6tmn5WoAAAAJ



一方で、理論物理学者のアルベルト・アインシュタインは「メールでの認証なし」となっています。

‪Albert Einstein‬ - ‪Google Scholar‬

https://scholar.google.com/citations?user=qc6CJjYAAAAJ



前提として、Google Scholarは2004年11月に始まったサービスで、1727年没のニュートンや1955年没のアインシュタインが自分で認証を行うことは不可能です。また、マサチューセッツ工科大学は100年以上の歴史を持つ学校ですが、創立は1861年とニュートン没後。ニュートンが教鞭を執ったのはケンブリッジ大学です。

こうした事態が起きていることについて、ニュースサイト・Bleeping Computerのアクス・シャルマ氏は「何も不思議なことやおかしなことはない」と述べています。

というのも、Google Scholarのプロフィールページの「認証済み」は、SNSの本人確認とは異なり、メールアドレスによる認証を行ったことを示しているだけであり、プロフィール自体は誰でも作成可能なためです。実際にシャルマ氏は、ジョージア工科大学のメールアドレスを利用して自分のプロフィールに「認証済み」の文言を表示させる検証を行っています。

‪Ax Sharma‬ - ‪Google Scholar‬

https://scholar.google.com/citations?user=NWBt5kYAAAAJ

検証結果をもとに、シャルマ氏は「MITのメールアドレスを持つ人物であれば誰でも、ニュートンのプロフィールを作って認証済みにできた」と結論づけた上で、「その誰かが大学の代表者や、少なくとも責任者であることを願います」と述べています。