フレイルで大事なのは、できるだけ転ばないように生活することです。骨折をしたり、あるいは膝や腰が痛くなった時には人工関節などに切り替えることができますが、できるだけ早い時期に対応した方が、残りの時間を自分らしく生活できます。そうした医療に力を入れていきたいと思っています。

 ─ ところで2024年4月に河北総合病院で「クラウドファンディング」に取り組みましたね。この理由は?

 河北 今年1月1日に能登半島地震が発生しました。その際、我々の仲間でもある石川県七尾市の社会医療法人財団董仙会・恵寿総合病院が、災害でも医療を止めないためにクラウドファンディングで寄付を募りました。

 我々も新病院に移行するにあたって、できるだけ多くの人達に病院を見ていただきたいと考えて、まずはクラウドファンディングで病院救急車のリニューアルを行うことにしたのです。

 クラウドファンディングは寄付ではないと思いますが、今の日本ではクラウドファンディングというと、お金を出しておしまいであることが多い。本当は、寄付に対しても、それを評価する仕組みが必要です。それが本当のチャリティであり、非営利性です。そうした根本的なことを考える機会にもなりましたね。(了)