カタールW杯のクロアチア戦で著しく精彩を欠いたルカク。(C)Getty Images

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 ベルギー代表FWロメル・ルカクが、悪夢のカタール・ワールドカップ(W杯)を振り返った。英紙『Daily Mail』が伝えている。

 黄金世代を擁し、カタールW杯で悲願の世界制覇を目ざしたベルギーだが、グループステージでわずか1勝しかできず。決勝トーナメントにさえ進めずに終わったなか、怪我明けだったルカクは、後半から出場したクロアチアとの第3節(0−0)で再三の決定機を逃した。

 ファンとメディアから厳しい批判を浴びたエースは、約2年が経った今、改めてこう語った。

「僕は明確なチャンスを4回も逃した。神がそう決めたんだ。問題ないよ。でも、その余波はダグアウトの窓を殴った時から始まった。悔しさが爆発した瞬間だ。23年間フットボールをやってきて、あんな風になったのは初めてだよ。

 それまで、うつ病なんて考えたこともなかった。休暇を取って、1週間毎日泣いていたよ。肉体的にも精神的にも壊れてしまった」
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 そんなボロボロの状態の時に救いの手を差し伸べてくれたのは、フランス代表の英雄であり、ベルギー代表のアシストコーチであったティエリ・アンリ氏だという。

「ティエリ・アンリには本当に感謝しているよ。毎日3回も電話をかけてくれて、『大丈夫?メンタルはどう?』と聞いてくれたんだ。彼はそれがどんなものか知っているからね。僕と同じで、フットボールで呼吸し、全てを知っている。彼は全ての試合を見ているし、僕がフットボール中毒である事実も知っている。僕はあれから決勝戦まで、ワールドカップの試合は一切見ず、ただ毎日泣いていた」

 ルカクは現在31歳で、今季からはインテル時代の恩師、アントニオ・コンテ監督が率いるナポリでプレー。ここまでセリエA5試合に出場し、3ゴールを奪い、首位を走るチームの原動力となっている。好調を維持し、2年後の北中米W杯でリベンジを果たせるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部