「連休中に国内旅行した社員にはボーナスをあげる」...《海外爆買いツアー》も夢のように消え去った中国で人々が「大型連休に楽しんだこと」

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中国75回目の建国記念日

10月1日、日本では新内閣が発足したが、中国もまた、75回目の国慶節(建国記念日)の「晴れの日」だった。この日から7連休で、中国メディアによれば、「延べ20億人以上が居住地域を離れ、1.75億人が電車に乗り、毎日6100万台の車が高速道路を走った」。

コロナ禍の前までは、年間延べ1億5000万人も海外旅行に出かけ、国慶節の大型連休は「海外爆買いツアー」が流行したものだ。ところが未曽有の不景気下の今年の連休、政府が14億国民に推奨したのは「紅色旅遊」。すなわち「偉大なる中国共産党の歴史を巡る旅」だ。1921年に発足した中国共産党は、4000年の中国史に較べれば取るに足らないが、全国に「革命の聖地」をごまんとこしらえているのだ。

紅色旅遊10大スポット

連休明けには、北京の天安門広場、南京の中山陵、青島の海軍博物館など、人気を呼んだ「紅色旅遊10大スポット」が発表された。同様の発表は各地でもあり、例えば安徽省では、革命烈士事跡陳列館など「紅色旅遊10大聖地」に連日、観光客が殺到したのだとか。

北京で国有企業に勤める私の友人は、河北省の西柏坡記念館に、日帰りで行ってきたという。毛沢東主席が北京入城前に陣取った「聖地」だ。

「連休中に『紅色旅遊』に行った社員には、冬のボーナスを支給するというからね。昨年は給料をカットされ、ボーナスもゼロだった」

何だか国慶節が、滑稽節になったような……。

「週刊現代」2024年10月19日号より

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